台風は近づいていますが、そればかり気にしてもしょうがない。
気を取り直してお昼にしよう。
ピッキー:昼は久部良だっけ?西崎の方か。
Pi-子:なんかね、けっこう有名なカレー屋らしいよ。"最西端のカレー"ってことで。
ピッキー:有名なのは"最西端" という場所だけなのかい?
Pi-子:いや、無農薬で野菜や果樹を栽培していて、ゴーヤやら、オクラやら、毎日日替わりのカレーが楽しめるらしいよ。
ピッキー:カ・レ・ー、カ・レ・ー、よし、出発だ!(←カレー好き)
と空港を出発し、久部良地区へ。
ガイドブックには「分かりにくい」と書いてあったが、すぐにお店は見つかった(前日訪れた「クブラバリ」の近くです)・・・
のだが
Pi-子:・・・お休み?みたいだね。なんか誰もいないし。
ピッキー:何で!何でだよ!!オレのカレー、最西端のカレーがぁ・・・ <(T◇T)>
Pi-子:台風だからかな?他に食事ができるところ(ガイドブックを眺める)
・・・う〜ん、行く前に電話してみるか?
プルルルルル・・・
ピッキー:どう?
Pi-子:出ない。定休日じゃないのに。・・・次はこのラーメン屋に電話してみるか?
ピッキー:ダメか?
Pi-子:うん。なんか、だんだん分かって来たんだけど、この島、台風=基本休み、になるんじゃないだろうか?そう思うとシュノーケルの中止連絡がなかったのも納得がいく気がする。
ピッキー:それはいいけど、昼食はどうするんだ?
Pi-子:そこだよねぇ、次は焼肉屋・・・ここも応答なし。このカフェはどうだ!?
プルルルルル・・・
ピッキー:どうだ?
Pi-子:う〜ん、ダメかも・・・えっ、あ〜もしもし、すみません、今日は営業していますか?えっ、営業してます?じゃあ今から行きます!
ピッキー:営業してるって?
Pi-子:よかったよ、営業しているお店があって。
ピッキー:場所はどこ?
Pi-子:祖納。宿がある地区だよ。
雨と風が強くならないうちに祖納にあるカフェ「どぅぐいわり」へ移動。
カフェに到着。
店員:いらっしゃいませ〜
Pi-子:少し前に電話した者です。あ、2人です。
昔のセブンイレブンのCMではないが「開いててよかった」という心境。
店名の「どぅぐいわり」というのは島言葉で「休んでください」という意味。
2月にオープンしたばかり(2010年)のピカピカでオシャレなカフェです。
ガイドブックによると「カジキのハラゴ(カジキのおなかの部分)」のフライが人気!とか。
Pi-子:カジキマグロいいね〜、フライもいいけど、お刺身もあるんだ。
店員:すみません、ここ何日か台風の影響で波が荒いもので船が出せなくてカジキないんですよ。
Pi-子:え・・・カジキないんだ。台風の影響じゃあしょうがないですよね・・・じゃあ、タコライスにします。
ピッキー:オレはカレーで。
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どぅぐいわり 「営業中」の3文字がうれしい | タコライス | |
タコライスもカレーもおいしかったけど、カジキ食べたかった。
いやいや、営業してくれていただけでもよかったんですけど。
ピッキー:次はどこに行く?
Pi-子:行きたいところは行ったし、お店はやってない可能性高いし、どうしようかな?
ピッキー:(ガイドブックを見ながら)
あ、ここ行ってみたい、″アヤミハビル館″!
Pi-子:何、それ?
ピッキー:世界最大の蛾″ヨナグニサン″が見られるんだって。
Pi-子:え…蛾?あんまり興味ないけど、行く前に電話しておく?休館の可能性高いし。
プルルルルル・・・(コール音)
Pi-子:あ、もしもし、今日はオープンされてますか?・・・あ、してます?じゃあ、今から行きます。
ピッキー:オープンしてるって?
Pi-子:うん、でも風が強くなってきたらクローズするって言ってたから早めに行った方がいいかも。
ピッキー:おっしゃ!出発!!
くねくねした山道を通ってしばらくすると現れる、白いコンクリートの建物が見えてきた。
これが″アヤミハビル館″だ。
で、到着するなりいきなりの大雨!
ピッキー:なんでいつもこうなるんだ!?
建物入り口までダッシュ!
館長:いらっしゃいませ。さっき電話くれた方ですか?
Pi-子:そうです。いきなり雨降ってきましたね。でも、まだやっててよかった。
館長:実は電話が来る前にそろそろ閉館しようかと思ったんですけど・・・じゃあ、館内をご説明しましょう。
まずはこの建物の名前″アヤミハビル″というのは与那国の方言でヨナグニサンのこと。
アヤミ=模様のある、ハビル=蝶、という意味なのだとか。
インド、ヒマラヤ、インドシナ地域に生息しているそうですが、与那国島で初めて発見された事から「ヨナグニサン」と付けられたそうです。
館内にはヨナグニサンをはじめ、与那国の生物の標本がズラリと並んでいます。
大きいものは羽根を広げた長さが24cm!!
といわれても、ピンと来ませんがティッシュのボックス(横)の大きさの蛾といえばご理解いただけるでしょう。
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アヤミハビル館 | ヨナグニサン(アヤミハビル)入場券に付いてた絵葉書 | |
羽の色は赤褐色で暗褐色や白色の模様があります。
アゲハ蝶あたりと比べるとやはり地味感はありますね。
しかし地味といっても、ヨナグニサンはモスラのモデルにもなった蛾であり、その姿を見ると「どこかで見たような」気がしてきます。
ちなみにモスラの大きさは250mなので、ヨナグニサンの100倍になりますが。
ヨナグニサンについての映像を鑑賞し、標本も見たけれど・・・実物は?
館長:こちらです。
案内された部屋には幼虫がいっぱい(とはいえカゴの中に入ってますよ)
でも、私、こうゆうのが見たいんじゃなくて成虫した姿が見たいんですけど・・・
館長:いや、今、羽化しているのはいないんですよ。成体の寿命は4日〜14日と非常に短くそれが“幻の蛾”といわれてる由縁でもあります。
“幻の蛾”とはいえ、以前は島のあちらこちらで見られたのですが、乱獲され絶滅寸前にまでなった時期があったのだそうです。
今では沖縄県の天然記念物に指定され、絶滅危惧種として保護されているんだとか。
アヤミハビル館を出ると風がだいぶ強くなってきたのが分かる。
Pi-子:風がだいぶ強くなってきたね。台風がいよいよ近づいてきたかな。
ピッキー:そうだね、雨は降ったり止んだりだけどね。
Pi-子:まだ早いけど、宿に帰ろうか。
ピッキー:う〜ん、あと一箇所行きたいな〜。
台風が近づいてきているのに・・・なんでこんな
立派な秘境野郎に育っちゃったんだろう。(-_-;
Pi-子:台風近いのに・・・あとどこへ行くの?
ピッキー:いやいや、こんな日だからこそ楽しまなくてどうするんだ!?ナビ見るとここから真っ直ぐ行けば宇良部岳(うらぶだけ)に行けると思うんだよね。
Pi-子:宇良部岳(うらぶだけ)?
ピッキー:与那国の最高峰だよ。
Pi-子:こんな日に山登り!?
ピッキー:たぶん車で行けると思うんだよ。Pi-子は乗ってるだけなんだからつべこべ言うなよ!
むかっ・・・でも確かに乗ってるだけなので、とりあえず行ってみることにした。
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宇良部岳 山頂にあるのはN○Tのアンテナ | 途中すれ違った猫 | |
「宇良部岳」の道標から狭い狭い林道に入り、山頂を目指して車を走らせる。
道路が舗装されているだけまだよいというべきか。
対向車がきたらどうしよう、と心配したが、
こんな天気だもの途中すれ違ったのは
ネコ1匹のみ!
(こんな天気だからなのか、いつもこんなんなのかはよく分かりません。)
登り詰めた場所にあったのは、巨大なアンテナ塔&N○Tの施設。
Pi-子:N○Tめ、景色のいい場所独り占めしやがって!?
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山頂…いいところ独り占め!? | 宇良部岳の山頂付近からの眺め | |
後から知ったのですが、N○Tの建物があるちょっと手前に階段があり、そこを上っていくと宇良部岳の頂上に行けるらしいです。
草ボーボーで気がつかなかったですよ。
思いつきで行っちゃったしね。(^_^;
この後は本格的な台風が到来する前におとなしく宿へ戻ることにした。
夕食時、食堂にて従業員も宿泊客も皆、食い入るように天気予報を見ている。
お天気キャスター:台風11号は宮古島の南南東を猛烈な勢力に発達しながら進んでいます。中心気圧は945ヘクトパスカル。本州には上陸しない模様ですが、強い風にはお気をつけください。
宿泊客のお姉さん:本州には上陸しなくとも与那国には上陸しそうだけどねぇ。
ピッキー:また、すごいの呼んだよな。Pi-子、皆さん悪いと思わないのか?
Pi-子:ぜんぜん、私と関係ないし。(-_-#)
女将さん:今日はもう皆さん、外に出ませんよね?正面は閉めちゃうから、もし外に行くのならお風呂場の方から出て・・・とはいえ、
よほどのことがない限り外へ出ないでほしいのよね。風が強くなると何が飛んでくるか分からなくて危ないですから。
Pi-子:頼まれても出たいと思わないですけど・・・あ、そうだ。明日、空港へちょっと早めに行ってもらっていいですか?実は・・・
今日、空港へ行って聞いてきたことを話す。
従業員A:へぇ、飛ばない時は飛行機も整理券出すんですね。いいこと聞いた。私も再来週帰るので、もしも台風が来たら整理券をもらいに早めに空港へ行くことにします。
従業員A嬢は与那国の人ではないことが発覚。
女将さん:そうだ、もしかしたら今夜は停電するかも。
Pi-子:停電?
従業員A:本州の台風とは規模が全然違いますから。台風が来るとしょっちゅう停電になるんですよ。
しょっちゅう・・・なんだ。
さて、明日は与那国を脱出できるのか?
乞うご期待!!(?)
本日のお宿 :
(お役立ちリンク)
アヤミハビル館 |
モスラのモデル、世界最大の蛾・ヨナグニサンに出会えます。 アヤミハビル館のサイト。アヤミハビル(ヨナグニサン)の他、与那国島の豊かな自然に息づく昆虫や動物などの紹介しています。 |