ヴァレッタ・2(Valetta)

シエスタ前のリパブリック通り シエスタ後のリパブリック通り

午後はシエスタと呼ばれる(要は長い昼休み…うらやましい)時間帯にはいるので昼食後、外に出ると先ほどまであんなにいた人々はどこへ行ってしまったんだろう? と思うぐらいマルタで一番のメインストリート、リパブリック通りですら人がまばらになっていた。
ジュリさんの話では夕方まで人がいなくなるらしい。
でもって、その間は閉店する店舗も少なくないのでショッピングをするなら注意が必要なんだとか。
そんなんで商売になるんだから、ある意味すごいよな。

我々はリパブリック通りを真っ直ぐシベラス半島の先端にあるセント・エルモ砦を目指しひたすら直進した。
ピッキー:突き当りまできたけど・・・どっち?
Pi-子:地図を見ると左に戦争博物館、右にセント・エルモ砦になってるけど…入り口を探そう。


辺りをうろうろしていると戦争博物館を見学。
目についた方から先に行ってみよう。

入り口に大きなミサイルが2発、展示されている。
ここに間違いはなさそうだが…ううむ、地図で見ると大きそうに見えるけど中は思ったより小さいんだな。
それは倉庫のような建物の中にあった。

聖ヨハネ騎士団がオスマン・トルコに対抗する為に築いたというセント・エルモ砦。
しかし大包囲戦の際には大攻防戦の末、トルコに陥落されてしまったという激しく、悲しい舞台となった所である。
戦争博物館はそんなセント・エルモ砦の一角にあるが、展示されているのは大包囲戦の時の武器ではなく、第二次世界大戦のものばかりだ。

第二次世界大戦時、イギリス領であり、造船所などもあったマルタは幾度となくイタリア&ドイツの空襲にあったそうで、1565年の オスマン・トルコ戦を「大包囲戦」と呼んでいるが、第二次世界大戦のことを「第二次大包囲戦」とも呼んでいる。
今でも至る所に防空壕が残されており、ジュリさんも数年前に購入した自宅の庭に防空壕があったと話していた。


グロスター・グラディエーター戦闘機 当時で旧型になっていたにも
関わらず伝説的な活躍をしたそうです。翼がないのがモノ哀しいです。
どうでもいいけどデパートにいるようなマネキンが不釣合いだ。
1942年、英国国王ジョージ6世から贈られたジョージ十字勲章
"勇敢なマルタ島民を最大限に称え、私はこの勲章を捧げます。
マルタ島民の勇気と忠誠心は永遠に語り継がれるでしょう"
…と書かれている。
ピッキー:Pi-子、こっちのは?
Pi-子:…勲章じゃん?
ピッキー:これは?
Pi-子:…当時の軍服じゃん?
ピッキー:見れば分かるよ。説明書きが細かい英語でよくわからないんだよ。
Pi-子:私だってそんな細かいの読むのめんどくさいよ。

ああ、使えないガイドだ!

本当、ジュリさんのありがたさが身にしみる。
こうして、あえなく戦場(戦争博物館)より撤退。

ここでついに雨が落ちてきた。、ヽ`、ヽ`┐(・_・。) (-_-。)

海沿いなので風もかなり強く、まるで昨日の再現という感じだ。

急いで次の目的地セント・エルモ砦に向かうが、どこが入り口だかさっぱりわからん。
Pi-子:地図だとこの辺に入り口があるっぽいんだけどな〜
ピッキー:ここが入り口なのかな?鍵が閉まってるけど。


鍵の閉まった門の前であっちじゃないか、こっちじゃないか、ときょろきょろしてみるが、それらしい入り口は見当たらず。
誰かに聞こうにもここは半島の一番先端、歩いている人が全然いない。
Pi-子:もうちょっと先に進んでみるか。

雨にも負けず、風にも負けず…海沿いをずんずん突き進んでいくと、いつの間にか次の目的地、騎士団施療院についてしまった。
ピッキー:ここまで来ちゃったから、先に施療院に入ろうよ。
仕方ないので医療施設を先に見学することに。

入場チケットを買おうとするが…おかしい…受付に座席の図があり、見るからにホールっぽいんですけど。
Pi-子:…このガイドブック、ガセネタ?確かにこの本にはよく騙されるけどさ〜(地球の○○方)
入り口で戸惑っていると、奥にいるおじさんが手招きをした。
こちらに来い…ってことか。

恐る恐る入っていくと、ここ、現在は地中海国際会議センターとなっているが、地下は施療院として使われていた頃の展示があるんだとか。
おじさんからチケットを購入して入館。

かつては騎士たちも歩いたと思われる重厚な石の階段を下っていく。
ピッキー:けっこう暗いね。やはり"川口浩(ヘッドライト)"が必要かな?(笑)
Pi-子:うん、・・・わっ!!!!!!!!!

一瞬、人とぶつかったのかと思ったが、前に立ちはだかっていたのは当時の装束を着た蝋人形だった。
Pi-子:あ〜、びっくりした。階段の途中に蝋人形置いておくことないじゃんっ。
戦争博物館にあったマネキンとは比べ物にならないやたらリアル蝋人形。

地下には騎士団の施療院として使われていた時の様子が紹介されいている。
全盛期には地中海近辺で一番優れたみなされ、高度な技術を持った医者・看護婦などのスタッフが集まっていた。
騎士団長もその助手として務めていたらしい。
中はかなり広く、病棟の長さは153m、通常で500ベッド、最大で2000ものベッドが置かれた。
また、治療は貧富の差なく行われたようで、奴隷もここで治療を受けられたんだとか。

治療の様子を再現 蝋人形とツーショット(左がピッキー)

治療の様子を再現した蝋人形がいるのだが・・・これまた薄暗い館内でけっこう怖い。
こういう施設なので遊園地のようにお気楽な雰囲気を出すわけにはいかないのはわかる・・・にしても怖い。
正直、夜に一人では来たくない。

といいつつ蝋人形とツーショットで記念写真。
つくづくわれらは冒険家の血が流れているということを思い知らされた。(←どこがだ!)

ここまでだけでもかなり怖いが、さらに下には精神を病んだ患者の隔離、一時期は監獄として使われたという地下室がある。
霊感が強い人はきっとこの世にはない物(者?)が見えるだろう・・・。
心臓の弱い方、お年寄りにはお薦めできない観光ポイントである。

外に出るとすっかり本降り。\\\\\\┐(T_T。) (>o<。)
昨日の天気を録画し、それを再生されているような気がするような天気の悪化具合。
まさにイエスタディ・ワンスモア〜♪ (泣)

再びセント・エルモ砦の入り口を探すが・・・見つからない!
地図にある入り口付近を通り過ぎて、さきほどの戦争博物館前に着いてしまった。
こんな雨の日見てどうするという気もするのだがここまで来て負けてられない!(入水鍾乳洞Cコースにも申し訳ないといういものだ)

Pi-子:う〜ん、ちょっと人に聞いてみよう。
そう言うと、戦争博物館のチケット売りのお兄ちゃんに話しかけた。
Pi-子:すみません、セント・エルモ砦の入り口はどこですか?
戦争博物館のお兄ちゃん:今日はクローズだよ。セント・エルモ砦のオープンは土日だけ。

観光を主要産業にしているっのに!殆どのガイドブックに"セント・エルモ砦"って出ているのに!
そんな有名観光スポットの営業が土日のみとは・・・・・!!!!!
マルタクォリティが我々を絶望に叩き落したのだった。

土曜出発−土曜帰国の我々に観光のチャンスはなくなってしまった。
チャンスがあったのは初日の午前中だけだったのか・・・
ピッキー:リベンジにまたマルタへ来るか
Pi-子:・・・・・・・・・・・・・・・いいや、別に。行きたい所は他にもいっぱいあるし。


※後ほどガイドブックをよく読んでみたら(開:土 13:00〜16:30 日 9:00〜16:30)とばっちり書いてありました。
 事前の確認を大切に!(どうする、アイ○ル〜♪ U。・ェ・。U )

強風の海沿いの道を行く
気を取り直してフェリー乗り場へ向かう。
次はフェリーの旅。
この雨&風じゃあ、大荒れの楽しいクルージングが楽しめそうだ。
Pi-子:それ以前の問題で欠航してるんじゃない?
ピッキー:内海だから分からないよ。行くだけ行ってみようよ。

ましてや我々はアドベンチャー隊員じゃないか。
意を決しいざ出発!

街の中を通ってもよかったがあえて雨風の強い海沿いの道を行ってみる。
距離にしてはそれほどでもないが降りしきる風雨が我々の体力をあっさり奪う。
打ち寄せる白波がフェリー欠航を告げるアナウンスのように聞こえる・・・しかし!我々は奇跡を信じて歩き続ける。
もはやどしゃぶりの中会話するのももどかしい。

ただひたすらに歩き続けフェリー乗り場を発見!!
・・・だが、そこにフェリーの姿はなく、窓口も固く閉まっていた。もちろん欠航。

・・・人が誰もいねえよ・・・

Pi-子:・・・さあ、バスで帰ろうか
ピッキー:OK、ハニィ ( ̄―+ ̄)きらり!
(←あんまり意味はない)
Pi-子:でもその前に休憩。お茶してから帰ろう。
上り坂を上ってリパブリック通りまで戻り、適当なお店を物色する。
できればマルタで有名な地元産・庶民のお菓子"ハニーリング"を試したいと思ったのだが、有名な老舗の店名&場所を失念した為(ジュリさんに教わっていたのだが) 仕方なく通り沿いの店を適当にチョイス。

疲労困憊したので甘い物が欲しいなぁ〜
リコッタ(Rikotta)というこれでもマルタの(イタリアの?)スイーツ+マルタコーヒー(Maltese Coffee)なるものを発見したので迷わず注文。
Pi-子:私はカプチーノだけでいいや。
ピッキー:あれ、スイーツは?甘い物好きじゃん
Pi-子:初日にホテルで食べたケーキ甘すぎだったから・・・でも一口ちょうだい。

言うと思った。

ウェイトレス:お待ちどうさま〜
注文の品を見て愕然!
コーヒーなので熱くて薫り高く苦いものを想像していたのだが、パフェのようなグラスに入ってコーヒーの上にはクリームてんこ盛り!!
ピッキー:あの・・・コーヒーだよねこれ
(右写真)
Pi-子:本体の色はコーヒーだね
ピッキー:その本体より高さのあるクリームは・・・甘いんだろうね
Pi-子:渋くはないでしょ
ピッキー:リコッタもスイーツだよね
Pi-子:店員さんもそういってたよ
ピッキー:しかもグラスに入ってきたと言うことはアイス?
Pi-子:今日は肌寒いね
ピッキー:・・・・・・・・・全部あげようか
Pi-子:いらない!
(きっぱり)

クリームをコーヒー溶かそうにも高さがありうまく混ざらない。
仕方ないので恐る恐るクリームだけ食べる。
ピッキー:・・・・・・・・・あま〜〜〜〜〜い!!
Pi-子:よかったじゃん。疲れたときは甘いものだよ!
ピッキー:
(リコッタだけ食べて)あま〜〜〜〜〜〜〜い!!!
Pi-子:カプチーノは適度に苦くておいしいよっ
ピッキー:うらやまし〜〜〜〜〜〜〜い!!!

しかたないのでクリームをかきわけコーヒーだけ飲んでみよう。やっぱりコーヒーの味を味合わなきゃ。

ピッキー:あつ〜〜〜〜〜〜〜い!!ホットかよ!!クリームのせいか湯気もないし、すっかりだまされた。 おもいっきり飲んじまってやけどするかと・・・
Pi-子:さっきからうるさいよ!
ピッキー:しかもなんだこの独特の苦味は・・・洋服を買いに行ったら店員がタメ口で話しかけてくるような失礼な味だ。


メニューを熟読すること約3秒
Maltese Coffee (Ansette liquir & topped with fresh cream)

気のせいかリキュール(liquir)の文字が・・・・・・・・・アルコール入りかよ!!!!

リコッタと味があわね〜〜〜〜〜〜〜


気合でクリームを溶かし込み、気合で完飲。
スイーツも甘いがこちらはまだ味がいいのでこれもなんとか完食。

・・・もう甘いの当分入りません!
というかマルタのスイーツ要りません。
すいません、どなたかしぶい番茶ください。
日本全国甘党の方々、私は今まで甘いの大好き人間でしたが世の中上には上がいることを思い知らされました。
是非われこそと思う方はマルタスイーツに挑戦してください。

雨が止む気配はない。
胃もたれもそこそこに再び雨の中バスロータリーに向かう。晩飯食えるかな?

ホテル最寄のバス停に行くのは66番路線のみ。
しかし1時間に2本くらいしかないのでちょっと不便。
この時もロータリーに66番は見つからず、雨の中ロータリーでバスを待つのもイヤなので近くまでいく(と言ってもホテルから徒歩で約15分)64番のバスへ乗り込む。

料金はおおまかに3つの地域別にそれぞれ10セント、15セント、20セントとなっている。
運ちゃんに料金を払いレシートを受け取る。
たまに検札があるようなのでレシートはバスを降りるまでしっかりとっておいたほうがいい。

バスには乗った。しかしここでも問題が・・・
マルタのバス停には停留所名の表示がない
そもそも表示がない以前にバス停1つ1つも名前がついていないのだろう。
ホテルの周りの景色を覚えておき、帰りはその景色が見えたら降りるという具合である。
全く知らない場所へ行く時は運転手さんに「着いたらおしえてね」と言っておくのが無難だろう。笑顔は忘れずに!

初心者がなんの資料もなくスムーズに目的地に到着するのは困難である。
公式HPがあるので行く予定のある方は調べておかれたほうがよいだろう。
http://www.atp.com.mt/index.html

数分後、バスが動き出した。
ピッキー:せっかく景色が見える座席をゲットしたんだが雨粒がバシバシ当たって外が見えないな。
Pi-子:ん〜、セント・ジュリアンまでは約30分かかるって言ってたから、乗って20分を過ぎたら外の景色に集中しよう。
ピッキー:・・・今気がついたんだけど、このバスってドアが閉まってないぞ!

ドアは故障で閉まらないのではなく、閉まらないよう完全に固定してあった。
満員の時は振り落とされないか不安になりそうだが、マルタ人は慣れたもので逆に停留所に止まる前に下りてしまったりする。

バスはなかなか混雑しており、表は雨と寒いせいか窓がすぐに曇ってしまう。
発車から20分を過ぎたあたりから手で窓を拭きながら慎重に外を見ていると、どうやらどっかでみた景色が見えてきた。

昨日来たショッピングモールの付近で降りることに成功。(^_^)v o(^o^)o
ホテルの方向に向かって歩いていると途中でスーパー発見!
Pi-子:サンダル売ってるかもしれないよ。見ていこう。
部屋の中の靴もこれまた疲れるのでやっぱりサンダルORスリッパは欲しいよな(昨日は見つからなかったし)

スーパーに入るがサンダルまたはスリッパは影も形もない。
中ぐらいの大きさのスーパーだったが、80%ぐらいは食料品、あとの20%は洗剤・シャンプーなどの日用品。
サンダルなどの履物系はないのだが、シャベル・軍手などガーデニング系はあったのは・・・まあ、そういう文化なのだろう

そもそもマルタにスーパーは少ない。ちなみにコンビニは全くない。
地元の小売店の反対、というものもあるのだろうが、マルタの人々は午後12時まで、とか24時間営業なんてものを必要としていないのかもしれない。

目当ての物はなかったが、とりあえず水とお菓子、お土産用のはちみつ・オリーブオイルをごっそり購入。

スーパーを出てから少し行った雑貨屋さんのようなお店でようやくサンダルを見つけた。
Pi-子:種類少ないね。夏だとけっこう多いのかもしれないけど。
ピッキー:季節外れだもんな。しゃ〜ないよな。


雑貨屋のレジの兄ちゃんには帰り際に"シェーシェー"と言われる。
ガイドさんによるとアジア圏からの観光客は日本人がほとんどらしいがマルタでアジアと言えば中国らしい。
(っていうか、ヨーロッパ人にとっては韓国も日本もみんな中国とみなしているんだと思う。 by Pi-子)

サンダルを購入後、海沿いの山あり、谷あり、強風ありの道を歩いてホテルに到着。
昨日に続く激しい行程にしばらく休んでいると夕食の集合時間となった。

雨はさらにどしゃぶりとなっていた。
バスで近くのレストランに移動するが・・・
今川さん:皆さん、ここから先は冠水していますのでバスが入れません。申し訳ありませんが少しだけ徒歩でお願いします。
普段これほどの雨が降らない場所なのか、道路の端に「溝」というものがなく、水は高い方から低い方へ容赦なく流れてきていた。
仕方なく雨の中またみなで歩く・・・

雨を逃れるように店に入りこむと、みな雨具やジャケットを預け、席についた。
これで一安心・・・・・・・・と思ったのもつかの間。
なにやら後ろが騒がしいので振り返ると同じツアーの人たちが立ちつくし、店員さんがカッパギで水を掻き出しているではないか!?
どうやらあまりの雨量に雨水が浸水してきたらしい。

我々のツアーで3つのおおきなテーブルを使っていたが(なんせ31人)そのうち2つが浸水の被害にあっている。
我々のテーブルはかろうじて免れているが床を見るとすぐそこに水が・・・
もはや食事どころではない。

はうえば〜!オーナーらしき人が平然と注文のドリンクを運んできてるではないか!?
他の店員は水を掻き出し、客は立ち尽くし・・・まあ、異様な絵図となった。
マルタクオリティ炸裂!!

カッパギで水を掻き出す店員さん 平然と注文のドリンクを・・・

水の進入経路と思われるドアの所を山のようなタオルでふさぎ、店員さんが水を掻き出しているとどうやらマシな状態になったので食事を開始した。
野口さん(娘):もしかして、この中に雨女か雨男がいるんじゃないの?
Pi-子:もしかしたら私かも・・・。6(^o^;
矢田さん(娘):ウソ!雨女なの?

ここでPi-子、自分の戦歴(雨女歴)を語る。

ピッキー:まぁ、今日で雨も降りつくして明日は晴れるといいですね。
今川さん:・・・それが申し上げにくいんですが・・・天気予報では明日はもっと天気が荒れるんだとか・・・
(^o^;A

・・・そんなこんなで嵐の3日目が無事?終了した。

(ピッキー)