ゴゾ島(Gozo)

嵐・・・
4日目
規則正しくAM6:00起床、今日の天気はどうかな・・・
ちょっと期待をしながらカーテンを開けるが・・・・・・・・・・
嵐!
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海が呼んでるぜ・・・ ("スリーシティーズ"の時と比べてみましょう) |
カーテン開ける前から分かってましたけどね、風と波がすごいんで。
悪天候にはすっかり慣れました・・・が、今日は一番ひどい天気。
今日はフェリーに乗ってゴゾ島へ行く予定なんがあるんですが・・・
下へ行くと、朝食はAM7:00からなので、レストランはまだ開いていなかったが、入り口には一緒のツアーの方々が群がっていた。
Pi-子:おはようございます・・・ひどい天気ですね。
矢田さん(母):おはようございます。本当、風がかなり強いけどフェリーは出るのかしら・・・
海沿いのオーシャンビューが自慢のホテル・・・そんな所に建っているホテルなもんで見ていると
波がプールサイドに流れ込んでるんですけど!?
亀田さん(弟):オレなんか波の音で一晩中眠れなかったよ。
亀田さん(兄):オレも似たようなもんだったから、睡眠は諦めて、朝の5時ぐらいにシャワー浴びた後、真っ裸でずっと波を見ていたよ。
(本名をお聞きしなかったので仮名、亀田さんということにさせていただきます。)
兄弟でご参加、ジムのトレーナーをしているとのことで二人ともかなり体格のよいおじさまたちだが・・・
朝から裸で海を見ていることもないでしょう!?
どうやらお兄さんがボケ役で弟さんがつっこみ役と決まっているようでまさに
一心同体
ここでも我々は美しいアガペエ(兄弟愛)を見ることができた。(ウソ)
7時過ぎたのでレストランがオープンし、とりあえあず朝食開始。
我々はチームアドベンチャーとしてスリル満点の窓際の席をゲット!
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ざっぱ〜〜ん! |
プールサイドと一体化したプール |
すさまじい風雨だ。
レストランの外はプールがあり、その先に海があるのだが、
プールを越えて波が来ている。
もはやどこまでがプールでどこからがプールサイドなのかもはっきりしない。
フェリー欠航ほぼ確定だろうな〜・・・
ツアーの人たちは、ほぼあきらめモードで朝食を食べていた。
Pi-子も欠航だろうと思っていて、パンをおかわりした挙句、オムレツを焼いてもらって食べていたのだが・・・
今川さん:フェリーは運航しています
ので、ゴゾ島行き決行です。
ざわざわざわ・・・この波なのにマジで?
歓迎すべきことなのだが、このすごい波を見ながら朝食をとった一同は「本当に大丈夫か?」などと質問を始めた。
今川さん:この風は東から吹いていますが、フェリー乗り場は反対の西側になります。そっちはこれほど強風
ではないようなんですよ。もっとも普段よりは波も荒いでしょうから心配の方はホテルに残っていても構いません。
Pi-子:ウソ!欠航だと思って朝食食べ過ぎちゃった。気持ち悪くなったらどうしよう!
ピッキー:じゃあ、止めとく?
Pi-子:私が行かないわけないでしょ!?・・・でもエチケット袋は用意しておこうかな・・・
今川さん情報では、ゴゾ島とマルタ本島の間にはコミノ島という小さな島があり、波よけの役目を果たしているとのこと。
完全な外海よりも揺れは少ないだろうとのことだった。( Menu の地図をご参照ください)
しかし、それでも年に1、2回くらいはフェリーが欠航になるそうだ。
リタイアが数組出たが、ほとんどの人がゴゾ島行き参加だった。
フェリー乗り場まではバスで1時間ほど。
途中 St.Paulo's Bay という所を通りかかった。
ジュリ:ここは"聖パウロ湾"といいまして、沖の方に聖パウロが遭難し、漂着したという島があります。・・・そういえば
聖パウロが遭難したのも2月だっていうんで、この時期は荒れた天気が多い時期なんですね〜
確かに朝よりは天気が多少回復してきたようだが、"聖パウロ湾"でも相変わらずすごい波が見られた。
一抹の不安をかかえながらフェリー乗り場に到着。
乗り場は雨こそ降っていないが曇りの天気ですごい風。
また昨日みたいに午後から嵐で下手すると帰れないとか・・・いろいろ妄想は膨らむ一方。
ピッキー:帰れなくなる、なんてこと・・・ないですよね?
ジュリ:分かりません。天気次第でしょう。こっちの人はみんな敬虔なキリスト教ですから"運を天に委ねる"って言いますけど、
まさにそんな感じ!
・・・よけい不安が増えたような気がする。
これがイスラム教なら
「インシャーラ(神のみぞ知る)」だし、ヒンズー教なら
「前世の巡り合わせ」なんだろうな・・・
フェリーはそこそこ大型なので確かによほどでないと欠航はなさそうだ。
ちょっと安心。(^o^;A
船内は席の指定はないので自由、軽食スタンドもあり、飲食もできる。
が、まず我々が目指したものは2階屋外デッキ
この突風の中、外に出ると・・・
ムヒョー!!出航前だというのにすごい
風
またも前が向けない。マルタは風の島だ。
向かい風の突風の中、船の弦側の手すりにしがみつきながら船首部分に移動しようとすると・・・係員が
ものすごい勢いでやってきて制止されてしまった。
マルタ人すらびびらせた我らの雄姿!
ようやくマルタに対して
一矢報いることができた(意味不明)
一旦は引き下がり、英気を養うために室内で休息。
他の客もさすがに船首側にいっているやつはいない。さすがに一筋縄ではいかないだろう・・・と思っていたら、
ここで恐るべき光景を見た。
なんと係のおっちゃんが船首側で
平然とロープの巻きつけ作業をしている!!!
あの風の中信じられん・・・
・・・と思っていたら、同じツアーのおっちゃんが
船首側で写真を撮っているではないか!!!!!
あのおっちゃんはさっきまで屋外デッキのベンチで休んでいたはずだが、あれは我々を油断させるため
カモフラージュだったのか・・・
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よっ、海の男!(作業員) |
よっ、海の女? |
ここで一人の女が立ち上がった。
Pi-子:ここは私にまかせて!
そういって外に飛び出すと低い(重い)重心を生かして、あっさり船首側に到達。
ベンチに座って記念写真!(地に足が着いていないのが笑える)
そうこうしているうちにいよいよフェリーはゴゾ島へ到着。
正味30分くらいの航路・・・気持ち悪くなるヒマもなく、楽しい冒険に満ち溢れた航海だった。
Pi-子:も〜、風が強くて呼吸すら困難だわ、早起きしたから髪の毛のセッティングもちゃんとしてきたっていうのに台無しじゃん!
ジュリ:フェリーから降りた所で集合です。マルタ島で乗ってきたバスは来ていないので注意してください。
ゴゾ島にはゴゾ島のバス・・・とな。
ゴゾ島もマルタ島も同じマルタ共和国なのだが、どうやら縄張りがあるようで、マルタ島のタクシーやバスはゴゾ島には入らない(営業しない)
逆もまた然り、という暗黙のルールがあるそうな。(個人の車は問題なし)
同じ国なので走る分には法律的には勿論問題ないみたいだが、お互い気持ちよく観光するのなら郷に入りては郷に従えということで、
個人でバスやタクシーをチャーターされる方は注意したほうがいいようだ。
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ジュガンティーヤ神殿 |
ゴゾ島ではまず世界遺産のジュガンティーヤ神殿に向かう。
2日目にいったムナイドラ神殿などど同じつくりだが、こちらのほうが古く紀元前3600年前だそうだ。
女性巨人サンスーナが建造したとう伝説がある。
数トンにも及ぶ巨大なサンゴ質の石灰岩が積み上げられており、高さ8mにもおよぶ。
さらに内部は表面が滑らかに整えられ、さらに石で部屋が仕切られている。
ここの遺跡もムナイドラ神殿と同様、上から見ると瓢箪をつぶしたような形となっている。(さらにわかりやすくいうと、ハクション大魔王のつぼを二つ縦に
並べたような形になっている。・・・年代によってはハクション大魔王知らないから余計分からないと言われるかもしれないが)
機械のない時代にこれをやるのは至難の技だろう。
まさに巨人が作ったのだと言いたくもなる。
このような小さな島にこのような遺跡が残っていることに感動を禁じえない。
バス停−神殿の入り口の間、地元農家が露店を開いおり、そこでそのおっちゃんが作っているハチミツと木の実(名前失念)をすりつぶしてペースト状にしたものなんかを売っていた。
こんな所で売っている物なんて、しょせんは観光価格さ・・・と思いながら、値段を聞くと、なんと
70セント!
スーパーで買うよりも安いんですけど(マルタのおみやげ屋ではさらにその2〜3倍)
ジュリ:このおじさんねぇ、すぐ裏の家で農家やってるんですよ。ハチミツもおじさんの所で採取しているから
安いし、新鮮だし、勿論おいし〜ですよ〜。
ジュリさんの言葉を聞くと、皆、ハチミツに群がるハチのようになり、買い物を始めた。
途中、品物が売り切れになり、おじさんが家まで在庫を取りに帰ったほどだ。
数分後、バスの中ではみなハチミツを抱えていた。
ジュリ:おじさん、別に日本語が分かるわけじゃないんですけど、私が薦めているのは分かるようで、たまに季節の野菜とか
くれたりするんですよ。今日も天気悪くて観光客少ないのにたくさん売れたから、すっごく喜んでましたよ。
キャッシュバックならぬ
ベジタブルバックをもらっているのか・・・
次に向かったのはカリプソの洞窟
ギリシア古代詩人ホメロスのオディッセアという物語の舞台となった場所である。
トロイア戦争の後、イタカ島の王である英雄オデュッセウスはポセイドンの怒り、各地を放浪することになる。
カリプソはこの悲運な英雄を愛し、永遠に島に留まるようにと願い、洞窟に閉じ込めるが、7年後、ヘルメスの説得に応じ、
泣く泣くオデュッセウスを開放する・・・という話らしい。
別に全編読んだわけじゃなくて、ジュリさんの説明とガイドブックで知っただけです。(^_^;A
洞窟入り口はかなり狭い階段(ここでギブアップする人もいた)を下りて行き、中は真っ暗で四つんばいでないと奥に進めない。
大失敗だ 川口浩を持ってきていれば・・・・・・・・・
まぁ、川口浩があっても時間上とても中に探険する時間はなかったが・・・
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カリプソの洞窟入り口 |
ラムラ湾 ああ、天気が良ければ・・・ |
とにかくここは足元が悪上地理的にも風が強そうな場所なので、行かれる方は転落・転倒には十分注意されたい。
まあ、洞窟というよりも景色を楽しむ場所であり、古代物語の舞台を楽しむ場所である。
ラムラ湾が見渡せ眺望はすばらしいが・・・あいもかわらず曇り空が残念だ。
次に訪れたのはアズールウインドー
アールズとは青のことで、直訳で青い窓。
岩が窓のように四角い形で穴が開きそこを窓に見立てているのだが、その窓から青い海と空が見えるのでこう呼ばれているそうだ。
ジュリ:もうすぐ行くと青い海が見えてくるんですけど、今日は残念ながらグレーですねぇ・・・あ、あれ、イヤだ。
まぁ、どうしましょう?
何が起こったのだ!?
ジュリ:イヤだぁ、ボート運行しているんだ。今日はダメだと思ったのに・・・え〜と、皆さん、ボートに乗りたい!
って方いらっしゃいます?
約半数が手を挙げる。
ジュリ:・・・けっこう乗りたいという方が多いので、予定にはなかったのですが、自己責任という形で乗ってきてもいいです。
1人につき1マルタリラのお支払いをお願いします。
ブルーグロットでも乗れなかったのだから、ここではぜひ乗りたいというものだ。
乗り場まではジュリさんが案内してくれた。
7,8人ほど乗れるモーターボートで船頭さんが慣れた手つきで舵をきる。
ツアーからは十数人ほどが参加し2艘のボートでいざ出航。
Pi-子:あれ?ジュリさんは乗らないんですか?
ジュリ:だって、皆さんは保険入ってるけど、私は入ってないもん。今日は波高いですしね〜・・・あ、じゃあ、楽しんで行ってらっしゃ〜い。
実に「世界征服宣言」にふさわしいナイスなキャラだ・・・
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船着場 |
海から見たアズールウインドー |
船乗り場は内海で波もおだやかだが、狭い岩の間をとおり外海に出ると、海の色が青く変わった。
海の透明度がかなり高いことが伺える。
天気がよいと陽の光を受けて、さらに違った色に見えるそうだ。
ここでも悪天候が恨めしい。
突風ではないひさびさ心地いい風と景色。
途中船頭さんから顔の形に見える岩やワニの形をした岩を教わり、天気はいまひとつだが快適で楽しい遊覧となった。
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陸から見たアズールウインドー |
アズールウインドーを海側から眺めることができたのもよかったが、陸上からのほうがアズールウインドー自体はよくみえるらしい
と聞いていたので、陸に戻りダッシュでアールズウインドーの展望ポイントへ急ぐ。
ボートにも乗りたいし、海と陸、両方からの眺めも楽しみたいなんて、なんて贅沢なんだ。
足場の悪い岩場を小走りで移動、急いで撮影し、小走りでバスに戻る。(もう慣れたもんだ)
確かに景色は陸からの方が趣きはあったが、ボート遊覧もそれはそれで楽しい。
もう少し時間があれば勿論両方十分楽しめるのでこれから行かれる方には是非お薦めしたい。
さて、次は昼食。
「昼食は海の見えるレストランで食事」
ツアーのガイドブックでは確かにそのようなコピーがあり確かに間違いではなかった。
しかしさっきのアールズウインドーとは別の海がそこにはあった。
こちらは宿泊しているホテルと同じ方角なんだろうか・・・朝見たのと同等の
荒れ狂う大波
それを見ながら優雅にお食事・・・という感じではなかった。
レストランは9Fだったので波がホテルを直撃することはなかったが、海を見て食事楽しむ天候ではなく窓にはブラインドがかかり
外がみえなくなっていた。
帰りのフェリーは出航するのだろうか?
今川さん:これまでお土産を買う時間があまりなかったので、ここでお土産タイムを設けたいと思います。
ただ時間は20分程度でお願いします。
一向は土産物が集中している場所で買い物タイム。
集中しているといっても3件ほど
レース(編み物)・ワイン、チーズなどの食料品・ジュエリー、ガラス細工を扱う店それぞれの店が道路1つ隔てたところに分かれて
いるだけが・・・いかんせん時間がない。
あわてて土産を物色。
ちなみにマルタではワイン、レースなども有名である。(ちなみに純マルタ産ワインはかなり数が少ないそうだ。)
それから先ほども登場したハチミツも忘れてはいけない。
買い物時間の短さは皆、不満を感じていたが、気分を切り替えて、最後にチタデルと大聖堂を見学。
大聖堂の中には入ることはできなかったが大聖堂の周り、要塞となっている外壁を散策。
なんでも昔はゴゾ島に住む者は全員、要塞の中で暮らしていたんだとか。
理由は海賊。地図を見てもらえば分かるとおり、マルタは地中海の真ん中に位置し、ゴゾ島はマルタ島よりも小さい。
海賊たちにたびたび襲われ、住民の半数が拉致され、奴隷として売られる、という現代社会では考えられない事件が起こったそうだ。
それ以来、海側には住まず、人々は城壁の中で暮らしたんだとか・・・今では海賊が来て拉致られることはなくなったので、海側にももちろん家が建っている。
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 緑が多いゴゾ島とグレーの空(泣) |
大聖堂
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高台からは景色も楽しめるのだが、曇っていたのと風の強さであまり長い時間いられなかったのは残念だ。
しかし、マルタ島より緑が多く、農業が盛んだというのが納得できた。
いろいろ心配したが、帰りのフェリーは無事出航。
船内では同じツアーの人と明日のフリータイムの予定のことが話題になっていた。
波は荒く、確かに揺れもあるのだが船が大きいのでさほど気にならなかった。
普通に歩けるし、テーブルの上のものが落ち着かないというほどのこともない。
強風の中、船首に行ってタイタニックごっこがしたいとか思わない限りは何の問題も起きないだろう。
波が穏やかであればほとんど揺れないと思われるし、航行時間も短いので船が苦手という方でもチャレンジしてもよろしいかと思う。
・・・というかゴゾ島いかなきゃ損だ。
マルタ島・ゴゾ島のセットでマルタ共和国が出来ているのだ。
ちなみに真ん中にあるコミノ島はリゾート時に滞在するホテルがあるだけで、オフシーズンには人口がそのホテルの経営者家族のみになるらしい。
今などまさにそうなのかもしれない。
無事マルタ本島に到着し、ホテルについたときには一同拍手。(^−^)//"" パチパチ
ガイドのジュリさん、添乗員の今川さんも安堵で胸をなでおろしたに違いない。
明日のフリータイムでオプショナルツアーを申し込んでいなければ、ジュリさんのガイドは今日で最後になる。
Pi-子:ガイドありがとうございました。楽しかったです。
ジュリ:いいえ、こちらこそありがとうございました。明日は晴れるといいですねぇ。"嵐を呼ぶ女"だって話ですけど。
Pi-子:えっ・・・・・・・・・誰がそんなこと・・・
オレの方を睨むが、オレじゃないよ、と首を横に振る。
ジュリ:皆さん・・・っていうか何名か同じこと言ってましたよ。あ、そうだ。皆さん、明日は食事もついてないんですけど
何食べるか決めました?
ピッキー:いや、全然。
ジュリ:じゃあ、ぜひウサちゃんにチャレンジしてみてください。日本じゃあまり食べる機会もないだろうし。
野口さん(娘):ウサギかぁ・・・おいしいのかな。
Pi-子:おいしいんじゃん、昔の人も「ウサギおいし〜♪(故郷)
」って歌ってることだし・・・
野口さん(娘):"ガッツ伝説"かぁ〜〜〜!! (p−−)=O=O))@o@)/ ボカッ
"嵐を呼ぶ女"の件が、ウサギの一件でうやむやになったが、とにかく
ジュリさん、素敵なガイドをありがとう!
夕食はホテルのビュッフェ。
初日は不評だったのかローストビーフはなくなり、豚肉のみとなっていた。
しかしいい加減マルタの食事は食傷気味。
そろそろお米と味噌汁が食べたい気分だ。
(ピッキー)