朝、3時15分! ぐっすり寝られないまま、決戦(?)の朝を迎えてしまった。 Pi-子隊長:朝早いから、気持ち小さな声で点呼! ピッキー:1! マコ:2! 3! まる子:4! 大将:5! こなつ:6? 天気は例によって雨…とはいえ、傘をささなくてもいいかな、と思える程度の小雨だが。 Pi-子隊長:さて、ここから竹田城と立雲峡の2班に分かれるが、どうする? ピッキー:オレは絶対に立雲峡!雲海に包まれる竹田城撮るんだ!! まる子:今日は雲海出ないと思うよ、天気悪そうじゃん。私は竹田城。 ピッキー:いや、分からんぞ。雨があがり気温が上がれば絶好の雲海日和だよ! マコ:どうだろ?竹田城は駐車場が混むだけだから、明るくなるぐらいまで車中で寝てから行ってもよさそうだし…竹田城だな。 こなつ:立雲峡の場合はどうなるの? ピッキー:撮影のベストショットを確保したいし、30分かけて山に登ったら降りる方がめんどうだから、そのまま待機になるかな。 こなつ:体力的にムリ!私も竹田城。確かに雲海出そうにないし。 Pi-子隊長:しゃらーっぷ!明日も雨降らすぞ!! こなつ:雨降ったら雲海もダメじゃん! Pi-子隊長:あ! るむ:私も竹田城がいいな。 Pi-子隊長:え・・・みんな竹田城なの?じゃあ、立雲峡にするよ。 大将:しょうがね〜な〜。じゃあオレも立雲峡でいいよ。 ピッキー:なんか立雲峡チームはお情けモードだね、天空の城・ベストショットが拝めるかもしれないってのに。ぶつぶつ… そりゃあ、夜が明けるまで&明けてからの3〜4時間も外&山の上で待機だからな。 作戦会議の結果 立雲峡 オレ(ピッキー)、隊長、大将 竹田城 こなつ姉さん、まる子、るむ、マコ と二手に分かれて出発!(昨日とは大将とこなつ姉さんが入れ替わっただけ) 外はまだ真っ暗。 竹田城とは違って立雲峡には人がいないんじゃないかと思ったが…なめてはいけなかった。 主道路から立雲峡駐車場に至る分岐地点に誘導員がいる! このぐらいの時間から人が動き出す時間ということか…人気は想像以上のようだ。 20台ぐらいが止まれる駐車場はすでに17台停っていた。 うち1台のキャンピングカーは昨日からいたので、ここで車中泊したのだろう。 まだ朝の4時前だが駐車場にも誘導員。 無料の駐車場だというに…市町村の職員かボランティアか知らないがまことに持ってご苦労なことだ。 展望台が満員とは思えないが、早めに場所の確保はしておいた方がよさげだ。 今は降っていないが、中井屋旅館を出る時には小雨が降っていたし、ぬかるんでいる場所もあるだろう。 準備を終えると登山開始! 昨日は夕方とはいえ、まだ薄明るかったが、さすがにこんな時間では山道は真っ暗。 川口浩(ヘッドランプだ)を新調して正解だった。 路面は濡れてぬかるんでいるが、前述の通り迷うような場所もなく、昨日も下見にきていたので無問題(モーマンタイ) くらやみで周囲の景色は見えないが、滝の音が聞こえてきたので第二展望台まで来たのは分かった。 ここからがキツイ坂道。 ここで隊長が遅れをとりだした。 あれだけ普段から体力作り+ダイエットと自分で言っているのに、実際にはいつも食っちゃ寝しているからだ。 自己責任なので、大将と2人で先を急ぐ。 しかし…あれ、こんなに登ったっけ? 行き過ぎたか?いや、開けたところなんかあったっけ?それに展望台には人がいると思うのだが… Pi-子隊長:お〜い、どこだぁ? 下から隊長の声が聞こえる。 大将:ここだよ。 大将が上からライトを振ってみせる。 Pi-子隊長:行き過ぎだよ。第1展望台はここ! 山道から第一展望台へ入るばしょは標識が小さく、分かりにくく…いや、どのみち暗くて見えなかったのだが、無人だとは思っていなかったのでうっかりスルーしてしまった。 まさかの一番のりだとは。 早速、三脚などの撮影セットを開始。 展望台という名前はついているものの、ただの野原なので斜度があり、水平を保つのに一苦労。 一段落して振り返ると人が一人、また一人とやってくるのが分かった。 駐車場で待機してた人たちが我々が登るのを見て、上がってきたのでろう。 すみませんねぇ、もうちょっと車で待機してればよかったかな。 時間は4:40。 雨はかろうじて止んでいるし、風…はあんまりなくてよかった。 風があるとないで体感温度がぜんぜん違うからな。
大将:しかし、寒いな! いつも汗っかきの大将が珍しく寒がっている。 オレと隊長は11月の山中であることを想定して、寒さに対する装備をしてきたが、大将はそのあたりの認識はなかったようだ。 手袋すらしてこなかったので、親切にも冷え込み時用にもってきたスキーグローブを大将に貸してあげることにした。(なんて親切なんだろう!) Pi-子隊長:お、竹田城チームより連絡あり。向こうはもう駐車場がいっぱいみたいだよ。 大将:すげーなー、早めに出て正解だったな。 まだまだ暗くて竹田城がはっきりと見えるわけではないのだが、一ヶ所だけ無数の光が見える場所があり、きっとあそこに違いない。 あれだけのライトの数…駐車場もいっぱいって、一体この時間に何人ぐらいいるんだ!? 夜明けまでまだ二時間ほどある。 しばらくは3人でたわいものない話で盛り上がっていたが、それでも時より襲い来る冷気と眠気。 しかも座るところもないのは辛い。 乾い地面であればまだしも、直前まで雨が降っていたため、座れる状態ではなかったのだ。 宿でダンボールでももらってくればよかった。
眠気と寒さに耐えながら、なんとか1時間+α経過。 6時前、まだ辺りは暗いが、竹田城班より夜明けの竹田城を見るべく所定の位置についたとの連絡が入った。 みんなはどのあたりで見物しているのだろうか? ためしにMY川口浩(くどいがヘッドランプのこと)を点滅させると連絡があり…よ〜く見るとたくさんの灯りの中に点滅が確認できた。 チームアドベンチャー初の別行動だが不思議なものだ。 6時半になると空がすこしずつ白くなってきた。 肉眼で竹田城は確認できるレベルになってきたが…残念ながら雲海は発見できない。(-。-; 明るくなったのでカメラのファインダーから竹田城を捕らえてみる。 望遠で拡大すると夥(おびただ)しい人で溢れかえっているのが見えた。 大将:すげー混雑、竹田城班ははどこだ? ピッキー:いや〜、これで探すのはちょっと無理でしょ。 Pi-子隊長:あ、これじゃん?横で座り込んでるのがこなつちゃんだよ。(笑) 言われてみればそんなように見える。
一番高い場所でらう本丸天守台の上はバーゲンセール状態。 柵などがないので押されたり、景色を見ていてうっかり足を踏み外して落ちたということにならなければいいが… 刻々と時刻は過ぎていき、徐々に明るくなってきたが、雲海が現れる気配はない。 天気は雨は降っていないものの曇りのようだ。 ピッキー:山の横に小さな雲が見えるんだけど、せめてあれがお城の下に来てくれないもんかな。 Pi-子隊長:来い、筋斗雲(きんとうん)、ふん! ピッキー:孫悟空? 大将:雲海ダメだな。す〜(タバコを吸いながら) Pi-子隊長:こうなったら、特殊効果でごまかすか…ちょっと大将、タバコの煙を竹田城に吹きかけてくんない? 大将:ん、こうか?はぁ〜(竹田城に向かって煙をはき出す) Pi-子隊長:う〜ん、煙が足りないね。雲海になるように増量して! 大将:おいおい、タバコ何本吸えばいいんだよ?いまどきタバコは高級品なんだぞ! Pi-子隊長:めざせ、高額納税者!! 大将:目指したくな〜い! 太陽は完全に上りきったが、やはり雲海は現れず。 ふと振り返ると沢山の人が見物に来ていたが、周囲はあきらめムードといったところだろうか。 時刻は7時を少し過ぎたところだが、撤収する人たちもちらほら。
大将:竹田城の反対側の山には見事な雲海が出てるんだけどな。 Pi-子隊長:あ、本当だ。 大将と隊長の言っている方向を見ると見事な雲海が広がっていた。 Pi-子隊長:7時15分か…8時には朝食だし、そろそろ撤収するよ。 ピッキー:え〜、もしかしたら横の雲が移動してお城にかかるかもしれないのに!? 大将:来ないよ〜、風ないし。 Pi-子隊長:私と大将は車で先に帰るから、中井屋まで徒歩で帰ってくるっていうなら、ここにいてもいいよ。その場合、当然朝食ぬきだよ。 ピッキー:撤収します…。
こうして半ば脅迫されながら、無念の撤収。(;_;) 地面が濡れていたため、上りよりも慎重に下山。 なかにはハイヒール&革靴で来たツワモノ中年カップルもいたが、これはあまりオススメできない。 駐車場に戻るとさすがに満車。 というか、駐車場には20台ぐらいしか止められないのに、山の上に来た人数がすごかったのはナゼ? (駅からは立雲峡駐車場まで徒歩で約30分) 走り出したら謎は解けた。 駐車場から数kmにわたって路上駐車がずらり。 狭い道がさらに狭くなり、ちょっと危ないが、ちゃんと誘導員がいるので走行できないレベルではない。 竹田城ブームが続くようなら、大きな駐車場を作る必要がありそうだ。 小さな田舎町にどこまで予算がつくのかわからないが、文化財などの扱いになれば国からの補助もあるんじゃなかな。 竹田城も立雲峡も朝の4時から誘導員が出ているのに、車で車中泊して町にはお金が落ちないというケースが多いんじゃないかと思う。 行政制度のことについてはよく分からないが、うまくやって町おこしをして欲しいもんだ。 宿へ戻り、荷物を下ろしている間に竹田城組も戻ってきた。 立雲峡から見たとおり、竹田城はやはりすさまじい混雑だったらしい。 そして朝食! 朝から動いたので飯がますますうまい! 途中、女将に夕食時に食べたセコ蟹漁の様子(録画)を見せていただいた。 またいつか食べに来たいものだ。 食事も終わり今後の行動を打ち合わせ。 まる子:食事終えたら天の橋立? Pi-子隊長:そうだね・・・あ、今、ふと気がついたんだけど、私、竹田城に行ってないよ。天の橋立に向かう前に竹田城に寄ることは可能かな? マコ:いや〜、駐車場待ちの車で大渋滞しているよ。 Pi-子隊長:え、渋滞って夜明け前だけじゃないんだ⁉ マコ:オレたちが降りてくる時にも、上りの車ですでに渋滞だったよ・・・あ、でもシャトルバスの停留所があったから、バス走ってるんじゃないの? Pi-子隊長:そうなんだ。どこから出てるんだろ? マコ:さあ?たいていは駅からじゃないかな? Pi-子隊長:そうだね、昨日ちらっと見たら駅の構内に観光案内所みたい事務所があったから聞いてみよう。
今朝、立雲峡へ一緒に行った大将は前日に竹田城へ行っているので、天の橋立先発隊に加わり、オレと隊長が残された。 先発隊を見送ると駅へ行って情報収集。 駅で観光案内所の係員に聞いてみると、シャトルバスは駅ではなく、「竹田まちなか観光駐車場」から出ているとのこと。 宿をチェックアウトし、車でその駐車場へ移動。 この時、バスはまだ試験の段階で「アンケートに答えれば無料」ということだったので喜んでアンケート用紙に記入。 ※2014年現在は有料になっています。詳しくはこちらまで↓ http://www.city.asago.hyogo.jp/0000002257.html 廃城になってから400年以上。 その間お城(城跡)はそのままだったっていうのに、ここ数年でいきなりブレイク!? 地元の人たちが一番びっくりかもね。 アンケートを書き終えるとシャトルバスャトルに乗って竹田城へ。 竹田城へ向かう前に歴史をざっくり説明しましょう。 1441〜43年頃、但馬の守護大名、山名宗全が出石城の出城として、家臣の太田垣氏に13年かけて築かせた城だと伝えられています。 築城当時は城というよりも小規模な砦に近かったそうです。 1577年(天正5年)、1580年(天正8年)秀吉の2度の但馬征伐で竹田城は落城、山名氏とともに太田垣氏は没落。 その後は秀吉の弟、秀長が城代になり、属将である桑山重晴を配します。 1585年(天正13年)桑山重晴は和歌山城主として移封されると、数人の城主交代が行われ、赤松広秀が城主となります。 赤松広秀が秀吉の支援を受けながら、現在の城郭を築き上げたと考えられています。 最後の城主である赤松広秀は関ヶ原の戦いでは西軍に属し、敗戦。 その後、東軍と共に戦うも1600年(慶長5年)家康に命じられ切腹。 赤松氏は断絶し、竹田城は廃城となりました。 駐車場待ちの車の列を横目にバスでスイスイ。 3連休の中日、午前10時で駐車場は90分待ち。(-。-; 休日は平均2時間待ちなんだそうで…。 第2駐車場に到着。 お城まではここから徒歩で800mほど歩く。 立雲峡と違って舗装されていると聞いていたのでたいしたことない…と思ったら、いやいや、けっこうな急坂でございました。σ^_^;
石垣が見えてくると一気にテンションアップ! 竹田城の石垣の積み方は、信長の安土城と同じ技術で、近江穴太衆(おうみあのうしゅう)の手による穴太流石積み技法が用いられています。 自然石の石の声を聞きながら積むと言われる野面(のづら)積みで、廃城から400年を経た現在でも、当時の偉容をそのままに誇っています。
標高約350メートルの頂きにある、天守台にも立ってみました。 立雲峡から見た時、人がバーゲン会場状態だった場所です。 天守台を中心に、南千畳、北千畳が放射状に配され、その姿は、虎が臥せているようにも見えることから、別名「虎臥城」(とらふすじょう・こがじょう)とも呼ばれています。 地形を利を巧みに活用し、攻め難く、守り易い城を作るとは実におみごと!
あんまり観光用に作り込まれていないところも魅力なんですよね。 転落防止柵や、「足元に注意!」なんて看板がないところがいいんですが・・・観光客がもっと増えていったらそうは言ってられなくなるかもしれません。 個人的にはそれをやるよりは入山者を制限してくれた方がいいかと思うんですけどね。
「絶対行ったほうがいいよ!」といちおしの場所ではあり反面、秘密にしておきたい場所です。 ピッキー:しかし、雲海に浮かぶお城見たかったな〜・・・ Pi-子隊長:TVのスタッフだって1週間待ったっていうんだから1日じゃあ無理かもね。 が、しかし、後になってこの翌日に見事な雲海が出たそうで… 事前に調査はしていたが、やはり雨が降った翌日よりも、翌々日の方が雲海が出る傾向にあるらしい。 最高気温と最低気温の温度差が大きいというのも条件の一つ。 まぁ、いつものことで、どうにも雨には当たるが、それ以外には相変わらず運がない。(T_T) ピッキー |