ムル国立公園(Mulu)

ジャングルだ〜!
ミリから飛行機でムルまで飛びます。
最初からジャンボではないだろう、とは思っていたんだけど、最大で19人乗りのプロペラ機!
第一印象は…かわいいっ (*^o^*)
Hさん:けっこう、揺れますから、前の座席に座った方がいいですよ。
この飛行機、座席指定はなかったのです。(もっとも19人じゃ、オーバーブッキングもないと思うけど)
Pi-子:…前の座席ですか?
Hさん:はい。前の方がましですから。
アドバイスに従って一番前の座席をゲット。
「これで大丈夫」と思っていたのだけれど…離陸してからは「かわいい飛行機」という第一印象は影も形もなく消えうせた。
機体が小さいだけに揺れると怖いです。
ジェットコースターや高速エレベーターに乗ると、お腹が「キュッ」ってなる感覚。(Gがかかるということですね。)
それを数え切れないぐらい体験しながら、約30分後、ムルへ到着。
ひやひやしたけど、上空から見たジャングル…深い緑と蛇行した川…の風景は絶景でしたよ。
では、ジャングル探検…へ行く前に、荷物を置きにいったんホテルへ。
今回はパックツアーなので、飛行機のリコンファームとかホテルのチェックインとかは全部、ガイドさんにやってもらえるんだ。
Pi-子は楽なのでちょっとうれしい。(^o^)v
Hさんにホテルのチェックインをしてもらっている間、ロビーのソファーでくつろいでいたら、なんとウェルカム・ドリンク
をもらえた。フルーツミックスだと思うけど、果汁がぎっしりつまってますというものでたいへんおいしかったです。
では、ジャングル探検へ。
ホテルのマイクロバスで5分ほど行くと公園本部へ到着。
ここで公園内に入る登録をします(パスポート番号を記入)。また、カメラ・ビデオを持ちこむ場合も
ここでカメラだとRM5、ビデオだとRM10を支払い、手続きをしなければいけません。
公園本部から洞窟まではジャングルの真ん中をひたすら歩く!…と言っても、歩道が完備されているので、
それほど苦にはならないけどね。木製の歩道なので、景観もまったく壊していません。
(尾瀬みたいな感じです)
Hさん:ムル国立公園は2000年11月に世界遺産に登録されました。広さは東京23区とほぼ同じです。
こなつ:広いんですね。
Hさん:広大な熱帯雨林になっており、1500種以上の熱帯植物や262種の鳥、74種のカエル、
47種の魚が生息する自然の宝庫なのです。あ…ここにも…
Pi-子:…トカゲ?
Hさん:いいえ、カメレオンです。
ええっ〜、これが〜!
最初、歩道の手すりの所にいたときは体の色が茶色(歩道の色)でしたが、草の方へぴょん、と飛び移ると…
だんだん体の色が緑に変わっていったのです。上の写真を撮った時にはすっかり保護色になってしまったので
どれがカメレオンかよ〜く見てくださいね。
しばらく歩いていくと、前方にものすごいツタをぶらさげた木が見えてきました。
Hさん:この木、すごいツタでしょう。(と言って、1本のツタをひっぱる)
Pi-子:ダメですよ。ツタをひっぱったら…
Hさん:?
Pi-子:あ…すみません。昔「ジャングルアドベンチャー」ってゲームを持ってて、
そのゲームの中でツタをひっぱると、突然、現地人に捕まり、かまゆでにされゲームオーバーしたな〜…
ってのを突然思い出して…(*^o^*)
Hさん:…お…おもしろそうな、ゲームですね…。(^_^;)
こなつ:Pi-子、どうして、そうゆうろくでもないことしか覚えてないの?
Hさん:ええと…このツルはイチジクの一種ですが、別名「絞め殺しの木」と呼ばれています。
絞め殺しとは…なんとも物騒な。
Hさん:鳥などに食べられたイチジクの種がフンと共に木に排泄されると、そこから芽吹き、
もともとあった木の栄養を奪ってしまい、最後にはその木を殺し、イチジクは一本の自立した木になっていくのです。
木に絡み付いていく様子が絞め殺しているように見えるので「絞め殺しの木」と言うんですよ。
宿主にされたこの木は完全に死んでしまってますね。(写真、中央より上の倒れている木が宿主です)
それって人間だったら「やってはいけないこと」の一つなんじゃないかい?
…でも、Pi-子ってば、親孝行全然してないことに気がついた…私ってば、イチジクの木!?
気を取り直して、再びジャングルを歩く、歩く。
途中、おもしろい植物や昆虫がいると、Hさんに説明してもらいながら約1時間ほど歩くと、白い崖が見えてきた。
Hさん:あれが目的の洞窟ですよ。
白い崖がよく見える所に休憩所があり、少し休憩をとった後、再び洞窟に向かって歩きだす。
まずはランズ・ケイブへ。
小さな洞窟ですが、とても美しい鍾乳洞となっています。
カーテン(生地)のようなやわらかな曲線を作っているもの、ジャングルの木のような「レインフォレスト・ストーン」、
くらげのような「ゼリーフィッシュ(くらげ)・ストーン(左写真)」など…乳白色できれいな鍾乳石が見られます。
その理由は外につながっている空間が1ヶ所しかないので、空気の流れが穏やかだということですが
何よりも観光客に荒らされていない、ということが最大の理由なんじゃないでしょうか?
Hさん:鍾乳石には手を触れないよう、お願いします。鍾乳石は1cm成長するのに
最低100年はかかります。人が触れてしまうと、手についている雑菌とか温度できれいな乳白色ではなくなって
しまうのです。
Pi-子:100年!それじゃ鍾乳石が1cm成長したら、Pi-子もこなつもばーさん!
こなつ:それ以前に生きてないと思うよ。
お次はディア・ケイブへ。
Pi-子もこなつもパンフレットに載っていたここの写真を見てボルネオ行きを決めたのです。
Hさん:これからディア・ケイブに入りますが、洞窟の中はこうもりのフンが
すごいので、手すりにはつかまらないようにしてください。それから臭いもすごいので、気分が悪くなったら
言ってくださいね。
写真からはきれいな洞窟というイメージだったんだけど…こうもりのフンですか…。
こうもりのフンだらけの手すりにはつかまらないよう、念のため軍手はめておこうっと。
洞窟へ足を踏み入れると…うわっ、臭い
Hさん:今日はマイルドな方ですよ。
えっ…じゃ、もっとひどい日もあるんだ…(^_^;)
ディア・ケイブは高さ120m、幅160mで世界最大の洞窟です。
Hさんが洞窟の天井に懐中電灯を向けているけど、大きすぎて全然光が届かない。
…それにしても、ここの天井ってば、動いてるみたいなんですけど…。
Hさん:あれは全部コウモリです。この洞窟には300万匹以上のコウモリがいますから。
その下、真ん中に見えている山、あれは全部コウモリのフンですよ。
Pi-子:臭いわけだ…。
Hさん:フンの山の中に点々ときらきらしたものが見えると思いますが、あの生物の名前は
ゴールデン・コックローチと言い…
こなつ:コックローチ…ってことは、ゴ・キ・ブ・リ…
Hさん:そうです。ゴールデン・コックローチはコウモリのフンを餌とし、分解しているんですよ。
もしゴールデン・コックローチがいなければ、この洞窟はもっとコウモリのフンだらけになっていますよ。
こなつ:役にたってるとは思うんだけど、ゴキブリはいや…。
ゴールデン・コックローチに別れを告げ(?)、少し歩いて行ったところから振り返ると、人の横顔に見える岩が…。
この岩は第16代アメリカ大統領エイブラハム・リンカーンの横顔に似てる…と誰かが言い出したんだろうなぁ。
「リンカーン大統領の横顔」だと言われています。
そういわれると似てるような気がするけど…。
きれいな洞窟なんだけど、この臭いがなぁ…。
と思いながら奥へ進んでいくと、だんだんましになってきた。これって奥の方がフンが少ないのか、自分の鼻が慣れてきたのか、
もしくは両方だな。
Hさん:あ…いたいた。おもしろいものを見せますよ。このミミズ…ちょっといじめてみます。
(と言って糸ミミズのようなミミズを軽くつついてみる)
すると、ミミズが薄い緑色に輝きだした!
こなつ:ミミズだけどきれい!
光るミミズに別れをつげ、我々は奥へと進む。
Hさん:この辺は滑りますから、気をつけてくださいね。
Pi-子:は〜い…ああっ!
すってん
Pi-子、言われたそばからすっころんでしまいました。
こなつ:Pi-子、大丈夫?
Pi-子:げげっ、コウモリのフンがぁっ!
Hさん:この辺はまだましだから、大丈夫ですよ。
そうか…よかった。でも、念のため軍手しておいてよかった。

そこから少し歩くと…見えてきました。パンフレットで見た光景が。
ここはディア・ケイブ観光の終点となっており、もう一つの洞窟の出入り口です。
洞窟のてっぺんから真っ直ぐにしたたり落ちてくる水が水柱を作り、外から入ってくる光に透けて見える
…"はっ"とするぐらいの美しさ。現実ばなれした幻想的な風景です。
そう思う人が多いのでしょう。ここは「エデンの園」、天井から降り注ぐ水柱には「アダムとイブのシャワー」
という名前がついています。
トップの写真がそうなのですが、洞窟の中なので思ったような光景が撮れず残念でした。
ここは写真ではなく、1度行かれることをぜひおすすめします。
コウモリのフンのかぐわしい臭いをがまんして進めば、こんな美しい光景を見られるんだなぁ…
しばし足をとめて、見とれる…。
ここは「もう一つの洞窟の出入り口」…ということですが、こちら側は歩道が出来ていないので、もと来た道を戻る。
洞窟の外にでると…道路が濡れてる。
Pi-子:洞窟の中にいる間、雨降ったんだね。
こなつ:多いんだよねぇ、こうゆうパターン…私がどこかに入っている間、雨が降ってて、
出るとやんでる…っていうの。

中央に移っている黒い群れがコウモリ |
さすがは雨に嫌われているこなつちゃん。(Pi-子は太陽に嫌われてる(T_T))
ランズ・ケイブに行く前に立ち寄った休憩所にもどり、私たちは待つことにしました。
何を待つんだって?…それは、ディア・ケイブで見たコウモリたち。
コウモリは夜行性なので夕方になると外に出て、エサ(小さな虫)を食べに行くんだそうだ。
あ、出てきた。
300万匹以上のコウモリが群をなして出てくるのは圧倒されます。(左写真)
この隊列が渦を巻いて左右に動きながら洞窟から出てくるのは、一匹の竜のようです。実際、これは
「ドラゴン・フライ(注:揚げ物ではありません)」と呼ばれています。
コウモリが洞窟から出て活動を始めるということは、夕方→夜になるということ。
さぁ、日が暮れないうちにさっさと帰ろう。
ジャングル・アドベンチャーは明日も続く。
(Pi-子)