稚内温泉"童夢(どうむ)"と稚内市内〜最北温泉と豪快グルメ〜

JR稚内駅(左)と日本最北端の駅到着証明書(右)



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バスに戻ったのは我々が最後だった。(やっぱり)
鼻水垂らして凍えながらバスに戻った我々を待っていた他のお客さんたちの”よくやるよこいつら”的な視線が忘れられません。
聞けばこの寒さ、早々にバスに戻ったお客さんもいるようだが、我々は几帳面にも時間いっぱいまで最北端を満喫しているのだ。文句あるか?

バスガイドさん:おかえりなさい。「宗谷岬」の歌碑まで行ったんですねぇ。
Pi-子:え・・・宗谷岬の歌なんですか?
バスガイドさん:ご存知ないですか?「♪流氷とけて、春風吹いて、ハマナス咲いて、カモメも啼いて〜・・・」っていう歌なんですけど

車内の反応を見ると年配の方は知っているようだ。(1972年に千葉紘子さんが歌った歌だそうです)

我々が着席すると同時にバスはゆっくり動き出した。

バスガイドさん:運がよければ宗谷岬から樺太が見えるんですけど、今日は吹雪なので無理でしたね。
一歩前の視界だってあやしいのに、樺太どころではない。
バスガイドさん:宗谷岬後方の宗谷丘陵には牧場が広がっていて、「宗谷黒牛」が育てられています。夏だったらそちらへ行って 牛を見たり、宗谷黒牛を出しているレストランへも行くんですが、今の季節は全部閉まっていますね。

バスが出発し2,3分で雪ほとんどはやんでしまった。
しかし、振り返ると宗谷岬に黒い雲が覆っている・・・ううむ、自然の持つダイナミズムを感じる。

バスガイドさん:ちょうどこの辺の丘の上には「宗谷公園」があります。そこには「津軽藩兵詰合の記念碑」というもの立っています。 コーヒー豆を型った形をしていて・・・空港でコーヒーを飲んだ方と飲んでいない方といるかと思いますが、ちょっと説明させていただきますね。
ガイドさんの説明では、江戸時代、この地方はロシアからの来襲に備え青森や会津や秋田の藩士が交代で沿岸警備をしていたのだが、 寒さと野菜不足で全身にリンパ液がたまる「水腫(すいしゅ)病」で数百名の者が命を失い、最北の守りは悲惨を極めたそうだ。
50年後、外国から日本に伝わったコーヒーは水腫病に対して効果があるといわれ、幕府は薬用として藩士たちにコーヒーを配給した。
不確実ながら日本で最初にコーヒーを飲んだ庶民は彼らではないのか・・・との話だった。

バスガイドさん:記念碑はコーヒーを飲むことができずに、亡くなった藩士たちを悼んで建てられたものです。
乗客のおじさん:結局、ロシアからの襲来は来たんですか?
バスガイドさん:いいえ、ロシア軍が攻めてくることはなかったそうです。藩士たちにとって敵はロシア軍ではなく冬の寒さだったのですね。

ウエルカムコーヒーは「稚内煎豆湯(せんとうゆ)」といい、当時の味を再現したものだったようである。
そういう大事なことは早めにいってくれれば、もっと味わって飲んだものを・・・説明が遅いっちゅうねん!
そういえば藩士っぽいと思ってたんだよなー(←ほんとかよ)

ちなみに宗谷は国産ストーブ発祥の地でもあるそうだ。
地味ながらもなにげにすごいぜ稚内。



バスは稚内市内に入った。
宗谷岬は猛吹雪だったのに、空港に着いた時と同じぐらいピーカン

前述の通り、今回は各旅行社よせ集めツアーなので宿泊ホテルが分かれており、お客さんをそれぞれのホテルで下ろしていく。
あとは温泉に行ったら今日は終わりだな・・・などと、まったりモードに入っていたら、思わぬピンチに陥ることになった!

雪の残る市内を快調にブレーキングドリフトをかましながら走る観光バス!!(かましてません! by Pi-子)
それは突然の出来事だった。
比較的幅広い道から何故か突然すれ違いが困難な狭い道に右折。
プロジェクトS(Souya)最大の難関でついに座礁!

・・・ってゆうか、無理に右折したら後輪が雪だまりにはまり、にっちもさっちも行かなくなってしまったのだ。

ただでさえ、でかい車体がななめになって立ち往生しているのは迷惑千万&おおいに目立つ
これが大雪山系どまんなかで深夜ならパニック映画張りだが、バリバリ市街地しかもまだ夕方なので客としてものんきなもんである。

Pi-子:ガイドさん、外に出て写真撮っていいですか?
なんて言って、記念写真まで撮ってるやつもいたな(左写真)

スタッフは会社に応援を呼ぶか近くの人に助けてもらうか判断つきかねていたようだ。
こんなときでもJAFはくるのだろうか?
某漫画なら、こんな時は文太がトラックに乗ってやってきそうなものだが・・・バス引っ張れる車はそうはないはず。

しばらくするとガイドさんが色仕掛けでお願いしたのか(してないと思うよ by Pi-子)どこからかでっかいタイヤショベルがやってきて 荒縄のようなロープでつないであっというまに救出してくれた。
さすがコベルコ!すごい力だ(コベルコさん 宣伝料ください)

いろいろあったが、無事ホテル到着。
今回宿泊したのは稚内全日空ホテル。
本来、ここで30分〜1時間の休憩があったのだが、先ほどの座礁事件で、息つく暇も無く温泉童夢へ向かうことになった。

稚内温泉"童夢(どうむ)"のロビー

向かった先は稚内温泉"童夢(どうむ)"
ここはなかなか快適だった。
狭いながらも寝湯、ミストサウナ、打たせ湯、薬湯、バイブラバスなどが設置されていて、まあ、いわゆるスーパー銭湯みたいなもんは揃っていた。

お湯はれっきとした天然温泉でしょっぱかった。(ちなみに飲泉ではないので舐めただけ飲んでいません)
あと、お肌がつるつるになった。 (*^_^*)

露天風呂は海に面していて開放的だ。
ちょうど陽が落ちる時間で(おそらく時間を合わせてくれたのだろう)夕焼けの利尻富士を見ることが出来た。
雲があったので完全にクリアーな形で見れなかったのとが残念だが、雄大なパノラマで北の海の日没を見ながら入る温泉は最高だった

バスガイドさんから聞いた話だが、この近くにある"豊富温泉"は石油の試掘を行っていた時に湧き出た温泉で油が混じっているおもしろい温泉なんだそうな。 機会があったらチャレンジしてみたい。

温泉から帰る頃にはすっかり夜
一旦ホテルに戻ってから、観光&食事に向かう

まずはホテルのすぐ横にある防波堤ドームへ。
昔から防波堤があった場所だが時化の際によく波が乗り越えてきて事故が起こっていたため大型に、なおかつ、おしゃれなものを作ったということらしい。
古代ローマ遺跡っぽいデザインで、雪と街頭にライトアップされなかなか幻想的。
海沿いにはちょっとした遊歩道みたいなものもあるのだが、雪のために歩行困難。あんど夜なので何も見えないという状況で、落ちたらシャレにならないので遊歩道散歩はとりやめ。

防波堤ドーム「最北端線路」の立て札

その後日本最北端の駅、JR稚内駅へぶらり旅。
駅の横をぐるりとまわってみると「最北端の線路/最南端から北へ伸びる線路はここが終点です」と書かれた立て札があった。
ここが線路の終点か、しみじみ・・・と、電車に乗ってきたら感慨深いものがあるのだろうが、飛行機でびゅっと飛んできてしまったのであまり感動はない。

駅の窓口では2種類の入場券と台紙がセットになった「最北端の駅到着証明書」を発売している(¥320)
記念にはよいかもしれない。

この時点で時間はまだ19時前だったが、雪が降っていたせいか、人気(ひとけ)がなく、駅前とは思えぬほどのゴーストタウンな雰囲気。
さながら深夜なみである。
さらに駅前にある「旅館・さいはて」最高の演出をしている。
昔銀河鉄道999というアニメでこんなような駅(「さいはて駅」みたいな?記憶違いかもしれないが)があった気がする。
 
いかにも「さいはて」な雰囲気夕食のたこしゃぶ&寿司

今回のプランは市内の4件のすし屋さんから好きな店をチョイスできるというものだった。
散策しながら適当に決めようと思っていたのだが、寒い&雪が激しくなってきたので駅から近い「はせ川」というおすし屋さんに入る。

お食事券を出したら、コースがあらかじめ決まっており、握り寿司とたこのしゃぶしゃぶのコースだった。
たこのしゃぶしゃぶは初めてだがどんなもんだろう・・・ぱくり

たこしゃぶ、非常にまいう〜


寿司も超まいう〜


かき揚げてんぷらと中トロも最高にまいう〜

(↑コース外だったが別に頼んだ)

すっかり満足な一日目が終了。

(ピッキー)

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