この後はいよいよ今回のメインミッションの「大山千枚田」に向う。
本来はちょっと早めに棚田へ入り、ダイナミックな夕焼けともに過ごす・・・はずだったが、この雨では・・・(以下省略)
結局、今日は雨が止むことはなさそうだ。
天気予報をチェックすると、どうやら沖縄から中国大陸方面に抜ける台風が、
どうゆうわけか、昨夜から鋭角に進路を変え、本州に向ってくるコースに変更したらしい。
で、前線が台風に刺激され、この雨をもたらした・・・と。
おかげで今回の我々にとっても刺激のある旅になってしまった。(とほほ)
とりあえず「みんなみの里」へ。
なぜ棚田に直接行かないのか?というと、夜祭りの期間中はマイカー規制をしており、「みんなみの里」もしくはJR安房鴨川駅からシャトルバスを利用することになる。
イベント参加費¥500を支払うが、会場内の飲食コーナーとみんなみの里で使用出来る¥200のお買い物券が付いているので実質¥300ということになる。
徒歩で行けば無料で入れるようであるが、舗装されているとはいえ、夜の山道(登り)は¥500以上の労力を必要とするのではないかと思う。
「みんなみの里」へ到着し、バスの時刻を確認すると時刻は特に決まってなく、なんとなく人数が集まってきたらバスを発車させる、とのことだった。
まぁ、さすが田舎はおおらかだ。
バスを待つ間、道の駅で土産物を物色していたが、まもなくバスが出発するとの案内があり、乗り込んだ。
バスの中はお年寄りから若者カップルまで、まさに老若男女問わない状態。
一眼レフカメラに三脚を持っているおじさまもちらほら。
バスはほどなく出発し、10分ぐらいで棚田の入り口にさしかかった。
"大山千枚田"とかかれた看板からわき道へ入り、山道を登っていくと、無数の灯りが見えてきた。
まる子:綺麗〜!
るむ:え?呼んだ?
まる子:う、うん。表を見て!
るむ:まぁ、素敵。
Pi-子隊長:ずっと先の方まで続いているみたいだよ。
淡い炎の光が幻想的(ファンタスティック)だ。
バスは駐車場に停車。
駐車場にも囲むようにしてたいまつが照らされている。
なかなか粋な演出といえよう。
駐車場だけでも、かなり幻想的な雰囲気だが本来の目標であるその先に進む。
すると、そこには息をのむような幻想的な風景が広がっていた。
女性陣3人はそれぞれの場所で写真を撮って、暖かい物でも飲もう(姐さんは冷たいビールかもしれないが)と言いながら、早々に棚田カフェ(コミュニティセンターというべきか?)へ行ってしまったが、
オレはというと三脚をセットアップし撮影開始。
今日1日は防滴・防水タイプのカメラでよかったと痛感。
ビニールやタオルで厳重にカメラを保護しているカメラマンを尻目に余裕しゃくしゃく。
さらにチームアドベンチャーの必須アイテム
"川口浩"(別名:ヘッドランプ)が役に立つ。
ライトを頭につけているので、両手が空くし、ちょっとしたカメラの設定変更も No Problem !
本格的に日が落ちてくると、真ん中に設置されたステージで主催者のささやかな挨拶が始まった。
曰く、この天気なので中止にしようかと思ったが、なにぶん中止にした前例はなく、(中止の方法が)よく分からなかったので開催した・・・とのことだった。
もちろん冗談だと思うが(思いたい)雨が降るとたいまつの火が消えやすくなり、さぞかし大変だったのだろう。
何という罪深いことを・・・隊長!
まだまだこの景観を楽しみたかったが、大将が無事電車に乗れたのかどうかも気になるし、連絡していた宿への到着時間も迫ってきた。
ここは一旦引き上げ、一旦宿へチェックインし、大将を何時に迎えに行くか、確認&調整しよう。
女性陣と合流し、駐車場に戻るが・・・すでに長い長い行列ができていた。
ピッキー:宿へは何時ぐらいって言ってあるんだ?
Pi-子隊長:6時ぐらいって言った。
るむ:え〜、もう6時だよ。
まる子:電話しておいた方がいいんじゃない?
Pi-子隊長:そうだね。
携帯を取り出し、電波の状態を見ると3本ついていたので安心。
地方にとことん弱いソフトバン○だが、とりあえず首都圏ということだろうか。
Pururu・・・
Pi-子隊長:どうも、予約してますチームアドベンチャーですが、かくかくしかじか・・・ちょっと到着が遅れそうです。
え?今、棚田の夜祭会場の駐車場ですよ・・・あ、でもマイカー規制されてますけど・・・はい、分かりました。お待ちしてます。(ピッ←携帯をきる音)
ピッキー:何だって?
Pi-子隊長:ここまで迎えに来てくれるって。
るむ:えっ!?一般車は入れないって・・・地元の人だったら知ってるよね?
Pi-子隊長:うん、言ったんだけど「大丈夫だから、そこにいろ」って。
若干の不安はあるが、地元の人だし、こちらの(Pi-子の)携帯番号も分かるから、何かあったらまた連絡してくるだろう。
宿のおやっさんを待っている間、オレは大将に連絡を入れることにした。
Pi・Po・Pa・Pururu・・・
ピッキー:もしも〜し、何時ぐらいに安房鴨川駅へ到着しそうですか?
大将:19時ぐらいに着く予定だ。
ピッキー:分かった。じゃあ、そのぐらいに駅まで向かえに行く。
これで一安心・・・と思って見渡すと
みんないない!?
電話しているわずかな時間にどこへ行ってしまったのか!?
Pi-子隊長:ちょっと、こっち、こっち!もう迎えに来てもらったよ。
オレ以外、全員ハイエースに乗り込んでいる。
やけに早いな。それにマイカー規制されているのによく入れたな。
春木屋主人:っしゃ飛ばしてくぜ!しっかりつかまんなさいよ
さすが地元民。慣れた道なのだろう。
軽快に「みんなみの里」を目指して車を走らせるご主人。
るむ:なかなかいいウデね。
ピッキー:下手ですいません・・・
るむ:精進しなさい。
ピッキー:ハイ・・・走り屋になるつもりはないんだけどなぁ・・・
るむ:なんか言った?
ピッキー:ひいい、いいいぇ別になんでも
春木屋主人:まあまあ、今日は生憎の天気だけど楽しめたかい?
Pi-子隊長:棚田の夜祭りが中止にならなくてよかったですよ。感動するぐらい綺麗でした。何時ぐらいまでやってるんですか?
春木屋主人:去年までは夜9時までだったけど、今年はちょっと早くするような事言ってたな。なんせ、あれだけの本数あるから火を消すのも大変でさ。
Pi-子隊長:っていうと、8〜9時には終わるってことか。実は後からもう一人来るんで見せたいんですよ。
春木屋主人:じゃあ、食事が済んでからもう一度来るといい。また送迎するぜ。この車は報道用として登録してあるから乗り入れできるからなー。
Pi-子隊長:さすがですね〜。じゃあ、お言葉に甘えてお願いします。それからお願いついでなんですが、JR安房鴨川駅まで行ってもらっていいですか?
例のもう一人が7時ぐらいに駅に着く予定なんですよ。
春木屋主人:うっしゃぁ、まかしときんさい!
なんとも頼もしいご主人だ。
春木屋主人:ところでこの辺道きれいだろ?実は皇室の御用地があって、たま〜に昭和天皇がきたんで整備したんだよ。自分も警備のバイトしたことがあって、そん時は菊の御紋の入ったタバコもらったんだ。
やっぱり一味違ったよ。
一同:へえぇぇぇ!
主人の地元話が続く。
根っからの話好きらしいが、面白いので飽きることは無い。
そうこうしているうちに「みんなみの里」に到着。
ここからはレンタカーに乗り換え、主人の車の先導で宿に向うことにする。
車に乗り込み、駐車場出口で待つ主人の車に「準備OK」のパッシングする。
すると
「しっかりついてこいやあ」といわんばかりの勢いで春木屋号が加速していく・・・(汗)
ピッキー:ちょっと待ったぁ!いまのはバトル開始の合図ぢゃないですぅ(涙)
るむ:うう〜ん、ウェットな路面でホイルスピンギリギリの加速・・・あのオヤジただもんじゃないわねぇ。
見失わないよう、必死についていくオレ。
るむ:しっかりしなさい!そんなライン取りじゃだめよ!!
まる子:そうよ、こんな運転じゃハイになれないわよ。
ピッキー:ひえ〜、怖いよぉ。
Pi-子隊長:だらしがないぞ、ゴラァ!
隊長、ペーパードライバーのくせに・・・
5分するか、しないかで春木屋へ到着。
よかった。これ以上の距離があったら、置いていかれるところだった。
春木屋主人:仕掛けてきたわりにはまんずたいしたことねぇなぁ。これでも7割で走っただども。
ピッキー:いや、あのパッシングはそういう意味では・・・
るむ:ごめんなさいねぇ。次は私がお相手するわ。
春木屋主人:ま、いいや。一服したら駅まで、もう一人を迎えに行くよ。
中に入ると女将さんに子供たち(主人&女将からすると孫たち)がお出迎え。
というか、子供たちは剣道の胴着を着ており、たまたま道場へ行く時間と我々の到着が重なったようだ。
その中の一人は剣道の大会で全国でベスト8に入ったらしい。
町でも県でもない全国だからこれはすごいことだ。
今からサインをもらっておけば将来有名人になっているかもしれないな。
ちなみにこの辺りは剣道が伝統的にさかんなようである。
春木屋さんは明治初期から続く伝統ある宿だそうだ。
玄関には昔の農耕器具やら展示され、この旅館の歴史を物語っている。
春木屋主人:おし、ぼちぼち迎えにGOひろみ!でも、誰か一人一緒に来てくれないか?おっちゃん、後から来るお連れさんの顔も分からないし。
春木屋女将:あらあら、今からですか?ご飯の支度はできてますよ。
Pi-子隊長:じゃあ、ピッキー行ってきて。女性陣はご飯食べて待ってるから。
ピッキー:・・・はい
そんなことになるだろうとは想定内。
ピッキー:駅までだいたいどの位なんですか?
春木屋主人:そうだな〜、だいたい20分ぐらいか?気合入れれば10分以内で行くぜ。
ピッキー:いや、そんなに入れなくていいです
春木屋主人:おらの走りを見て勉強するこったな!
ピッキー:はぁ・・・
車の中でも主人の話は続く。
アクアライン開通前は治安がよく、この辺ではみんな鍵もかけていなかったが、開通後は変わってしまったこと、とか
プロ野球ロッテや日本ハムがキャンプにきて、地元の病院とかを慰問したりしてる、とか
双子山の親戚のこの辺にいるらしく、若貴兄弟もやはり地元の病院に慰問していた、とか
スマップが駆け出しの頃、ロケにきていて当時小学生だった香取に声をかけたがある、とか
キムタクも独身のころは工藤静香とよくお忍びで来ていた、とか
昭和天皇が来た時には鴨川にある某有名リゾートホテルをホテルごと貸切にしたんだ、とか
今の天皇がまだ皇太子だったころには同じホテルは1フロア貸切にしたんだ、とか
温暖で過ごしやすい気候、なのに全国的にはそれほどメジャーなリゾート地ではないということから地味に有名人が来るらしい。
話は尽きないうちに安房鴨川駅に到着。
ピッキー:大将!
大将:お〜、悪いねぇ。どうしても仕事が・・・
すぐに見つかってよかった。
ピッキー:こちら、今回宿泊のお宿、春木屋さんのご主人だ。
春木屋主人:ども。ほんじゃ今から宿に向井千秋!
大将:いいなぁ、このノリ。気が合いそうだ。
車中では大将に今日の出来事とこの後の予定を一通り説明し、あとはご主人のおしゃべりがCONTINUE
そんなこんなで宿に到着。
女性陣はすでに食べ終わり、お茶を飲みながらまったりしていた。
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夕食のうな重 |
オレたちもようやく食事にありつける。
Pi-子隊長:棚田のライトアップは夜8時までなんだって。2人も夕食はかっこんじゃって、早めに出よう。
かっこむなんて、旅館の食事じゃドンブリ物でもあるまし・・・と思っていたら、出てきたのはなんと
「うな重」
なんと「うなぎ」は春木屋名物なんだそうだ。
"名物"というだけのことはあり、おおぶりでうまい!!
別皿できた、肝吸い(すまし汁)も絶品!
これでスタミナばっちりだ。
食事を終えるとゴロンと横になってまったりしたいところではあるが・・・そうはいかない、我々には棚田アゲインという任務がある。(大将が遅くきたせいで)
ご主人のスーパーなドライブとおしゃべりで再び棚田到着。
時計はすでに8時を過ぎており、祭りはすでに終了していたので、駐車場ではなく棚田カフェへ横付け。
いや、これは祭りが終了していたから、というより春木屋号に乗っていたから出来たことだろう。
大将:おお、ビウチフル!!
思わず感嘆の声が出る。
春木屋主人:昔はもっと松明も少なくてひっそりやってたんだ。その方が味があってよかったけどなぁ。
南房総の観光は早春の花の時期と夏の海水浴シーズンに集中し、ましてや山間部は観光資源に乏しく頭を悩ましていたところ、
棚田の畦に松明を立てて幻想の世界を作り上げる「棚田の灯り」イベントを発案・開催することにしたのだそうだ。
松明には里山にはびこっていた竹と、燃料は使用済みのてんぷら油などの廃食用油を原油とした「バイオディーゼル」を使用しエコ仕様。
最初は1,200本の松明だったが、今年は3,000本に達したのだそうだ。
また、大山千枚田は「棚田オーナー制度」を導入している面白い棚田なのだ。
昭和50年頃までは、平地の少ない山間部では、山の斜面を利用して作られた棚田はごくありふれた風景だったが、稲作の機械化と農業従事者の高齢化が進む昨今では、急速に姿を消しつつあった。
約15年前、荒廃する棚田を守ろうと、地主や市民、市外の支援者が大山千枚田保存会を発足。
棚田オーナー制度を導入し、都市住民に農業体験の機会を提供し、高齢化や担い手不足などにより発生している耕作放棄地を活用。
農地の管理維持に成功し、その活動は全国的にも注目されている。
春木屋主人:愛宕山の山頂から棚田の灯りを見たら絶景だろうよ。もっとも一般人は勝手に登れる山じゃないけどな。
説明しよう
愛宕山とは南房総市にある山で、標高408.2mの千葉県の最高峰である。
しかしながら全国都道府県の最高峰を較べると全国で一番低い山である。
だが、この低い山は意外と登りにくい・・・というのも問題は高さではなく、山頂を航空自衛隊のレーダー基地が占拠している為、この山を登るのには事前に許可申請する必要であり、
尚、勝手なことをしないように登山時には自衛官さんがもれなくついてくるそうだ。
自衛隊マニアにはたまらない山かもしれない。
ひとしきり撮影を終える頃には大分明かりの数が減り、周囲は暗くなっていた。
棚田カフェの中でボランティアのスタッフ&地元の方々との交流を楽しみ、自家製梅干を購入したら、おまけにお手製の祭り寿司をいただいた。
これも春木屋ご主人と一緒だったからで、たいへんありがいことだ。
(ピッキー)
※当HPはノン・フィクションですが、今回は一部フィクションを含みます(ピッキーによる演出と思ってください。9割は実話です。)
(お役立ちリンク) |
あんご通信・大山千枚田 |
大山千枚田保存会が運営している大山千枚田のサイト。鴨川の中山間に位置し房総半島のほぼ真ん中にあり、東京から一番近い棚田です。
棚田オーナー制度の他に、大豆畑トラスト、酒づくりオーナー制度、綿・藍トラストなど、多岐にわたる活動を通して、棚田保全に努めています。 |