2日目、窓の外を見てみると、怪しい雲はあるものの雨は降っていなかった。 これは天気回復ということなんだろうか? ちょっとばかり希望を持ちながらTVの天気予報を見てみる。
(―‘`―;)← Pi-子 ( ̄□ ̄;)← ピッキー Pi-子隊長:あ?、でも考えてみたら今日のメインは徳島だから香川も高知も関係ないか。 ピッキー:この予報見て、徳島だけ晴天!とかあり得んぞ!! 今日は大将が東京から飛んでくるのを待ち、ピックアップしてから祖谷渓谷へ行く予定。 高松空港へ到着するのは8:55だけど、空港からのバスが9:30発、琴平に到着するのは10:00ぐらいになるか。 その間どうするか、ホテル内のお食事処・象山で朝食をとりながら作戦タイム。 ねじき:金比羅山行ってみる?奥宮までは難しいと思うけど、本宮までなら行けるんじゃない? ピッキー:今なら雨も止んでるし、いいかもな。 まる子:いつも混んでるんだけど、朝は空いているからオススメだってマコ(元添乗員)も言ってたよ。 Pi-子隊長:じゃあ、金比羅山行ってみるか。ところでマコちゃんから連絡があった?仕事早く終われば今日来られるかも、って言ってたじゃん? まる子:何も連絡ないよ。 Pi-子隊長:う〜ん、怪しい。連絡ないってことはサプライズで来るかもしれないな。 朝食後、ホテルをチェックアウトし、大きな荷物は車に入れてしまうと、金比羅山へしゅっぱーつ!! 参道の階段の両側にはお土産屋さんがずらり・・・まだ朝早いのでまだ開いていないお店も多いのですが、観光客も少なめで歩きやすい。
江戸時代、お伊勢参りと並んで人気だった金比羅詣。 しかし今のように飛行機も新幹線もない時代、直接参拝することがかなわない人々の為に代参という習わしがありました。 代参…読んで字の如く、代理参拝ということですが、代理となるのは人だけでなく、飼い犬を人に託して参拝させるということもあったらしいんです。 金刀比羅宮への代参犬は「こんぴら狗」と呼ばれ、犬の首に代参犬と分かるように丸金マークの巾着袋(この中に旅費とさい銭を入れておく)をつけておくと、道中、道行く人がエサをくれたり、いろいろ助けてくれていたみたいですよ。 まる子:あれ、雨!? (゚○゚ ;) Pi-子隊長:むぅ、あまりにもお約束な展開だ。(゚ー゚ ;) レインコートを羽織り、急いで本宮へ。
本宮に到着。 ここまで石段、785段…最後の階段(左側の写真)がキツかった。 まる子:今何時? ピッキー:9時半。ホテル出てから 分ぐらいで帰りは下りで行きほど時間はかからないにしてもそろそろ戻ったほうがいいな。 ねじき:奥宮までは行けないね。 Pi-子隊長:そうだね、奥宮まで行くとプラス583段(合計1368段)になるんだそうだ。強いて言えば進んで行きたくないな。 奥宮まで行くことはないだろうと思っていました・・・この時はまだ・・・ 下界を見渡すと・・・ うーむ、天気が悪くてよく見えないです。 でも、かなり高くまで上ってきたなと実感。 晴れた日には瀬戸大橋を眺めることも可能なんだそうですよ。 表参道のお土産屋もちらほらオープンしていたので、ちょいと寄り道しながらホテルの前に戻ってくると、そこには見覚えのある男が・・・
マコ:金比羅山に行ってるだろうと思って、本当は表参道あたりでまちぶせしてようと思ったらんだけど、すれ違ったらタイヘンだからここで待ってたよ。 Pi-子隊長:早く来られてよかったね。夜行バスで来たの? マコ:そうそう、昨夜から土砂降りの雨が降ってたから、予定よりずいぶん遅れた到着になったよ。さすが隊長! 「さすが」の意味がよく分からん。 ピッキー:その格好だと「ちょっとコンビ二へ」って感じだけど、それで来たんだ。 マコ:だって、どうせ雨降ってるんだから濡れるじゃん!ところでみんな驚かないのか!? まる子:うん、昨夜連絡がなかった時点でサプライズ狙ってるな、って思ったし。 マコ:がっかり そうこうしているうちに大将との待ち合わせ時間が近づいてきたので急いで移動! 高松琴平電気鉄道(通称「琴電」)岡田駅。 大将は高松空港からのバスでやって来て、ここで降りるように言ってあったのだが・・・ 駅のロータリーに入る手前で空港から来た(と思われる)バスとすれ違った・・・バスはちょうどロータリーから出てきたところだが、大将はちゃんと降りたのだろうか!? まる子:あ、いたいた! 大将登場! 大将:いや〜、空港遠いな。バスの中で熟睡して、もう少しで乗り過ごすところだったよ・・・あっ、あれ?どうしてマコちゃんいるんだ!? マコ:ようやく驚いてくれた。(*≧∀≦) Pi-子隊長:さて、まだ全員集合ではないが、今日の高知まで行くメンツは揃ったな。今日の予定は秘境と呼ばれる祖谷(いや)渓へ行き、かずら橋と二重かずら橋の両方を征服するぞ!! 全員:お〜!! マコ:その前に・・・香川県にいるうちにうどんが食いたいな。朝食食ってないし。 大将:オレは高松空港で食ったけど、また食ってもいいぞ。
マコちゃんのリクエストに答えて、道の駅「空の夢 もみの木パーク」でうどん休憩。 この辺りもみの木の群生があることから「もみの木峠」と呼ばれており、また、日本で初めて有人飛行機の開発に取り組んだ二宮忠八が、この付近で飛行原理の着想を得たことに由来する。 隣接した地に2006年(平成18年)に開館した「二宮忠八飛行館」がある。 再び車に乗り込んで祖谷渓を目指す。 マコ:いや?、やっぱり讃岐うどんはうまいな。コシ、ダシ、ノド越し…どれをとっても満点だ。 ねじき:道の駅のうどんでこのおいしさだもんね。でも、私はそろそろうどん以外のものも食べたくなってきたな。 大将:祖谷渓って徳島だろ?徳島といえば…ラーメンだ!! グルメ話で盛り上がる食いしん坊万歳の3人。 まったりモードが流れる車内、それまで順調に進んでいたのだが、ハンドルを握っていたピッキーが突然Uターンした。 Pi-子隊長:え、何?なんで突然進路変更? ピッキー:なんか、カーナビの進路が突然変更されてUターンしろって・・・ マコ:カーナビの行き先はどこにしてある? Pi-子隊長:二重かずら橋。一番遠いから、ここから行こうかと。 マコ:嫌な予感がする…雨はますます強くなっているし、山間部…まさか交通規制で二重かずら橋への道は通れなくなってるんじゃないか? あ・・・あり得る・・・この雨・・・ ピッキー:とりあえずカーナビは無視して、進めるだけ進んでみて通行止めになったら…考えるか。 マコ:情報がほしいな、道の駅とかあったら入って聞いてみよう。 ピッキー:この辺で祖谷渓に入る道が…あ、あそこに何か案内板が出ているぞ! マコ:なになに…やっぱり大雨で通行止めか。 深く切り込んだV字型の渓谷、その下を流れるエメラルドグリーンの祖谷川・・・ 直下200mの断崖絶壁に立っているという小便小僧の像(昔、子供たちが肝試しでここから小便をしたという逸話をもとに作られた)・・・残念ながらそこへは行けないということだ。 Pi-子隊長:と…とりあえず大歩危小歩危(おおぼけこぼけ)方面はまだ通行止めになってないし、まっすぐ行くと「道の駅・大歩危(おおぼけ)」があるからそこで情報収集してみよう。 32号線を南下、こうして走っているうちに先の道路が通行止めにならないことを祈る! が、我々の切なる祈りとは裏腹に雨足はどんどん強くなっていく。 Pi-子隊長:あ、ここじゃん?道の駅・大歩危! ねじき:「妖怪屋敷」とか書いてあるよ? ピッキー:道の駅に併設しているのかな?とりあえず入ってみよう。 大歩危(おおぼけ)は、吉野川中流域に位置する渓谷。 数km下流の小歩危(こぼけ)と共に、大歩危・小歩危(おおぼけ・こぼけ)として一括りにされることが多い。 この辺りは古くから四国山脈を越えるときに必ず通らなければならない場所ですが、崖が切り立ち、川の流れも速く、「大股で歩くと危ない」という意味で「大歩危」、「小股で歩いても危ない」という意味で「小歩危」と呼ばれるようになったという説。 断崖を意味する古語「ほき(ほけ)」から付けられ、「歩危」という漢字はあて字であるという説がある。 現在では国道、鉄道も整備され、夏季には多くのラフティング・カヤック愛好者を集める。 道の駅・大歩危は吉野川に沿って立地しているので、車を止めたところから雄大な大歩危渓谷が一望できる・・・ということですが・・・ Pi-子隊長:見よ、これが雄大な大歩危渓谷だ!・・・みんなの予定が合えばここでラフティングしようと思ったんだけど・・・ ピッキー:オレはやりたかったんだけど・・・どっちにしてもこの天気じゃあ無理だったな。 マコ:今日ラフティングやったらスリル満点、間違いなし!
駐車場の上は展望デッキとなっているのだが、あまりにも土砂降りなのでそっちまで行って見たいという人はなし。 ねじき:ガイドブックみると「エメラルドグリーンの美しい川の色」って書いてあるけど・・・ まる子:どう見ても「茶色」にしか見えない。 大将:渦まで巻いてるぞ。 Pi-子隊長:ラッキーじゃないか、鳴門まで行かなくても渦潮が見えたんだぞ! ねじき:全然うれしくない。
まずは道の駅内にある観光情報コーナーへ直行。 マコ:すみません、二重かずら橋まで行きたいんですけど、道路状況とかどうでしょうか? Pi-子隊長:大雨で通行規制とかされてますか? 係員:この雨ですから規制されているかもしれません・・・ちょっと聞いてみますので少々お待ちください。 係員さんが電話している間、しばし待つ。その間にも雨足はどんどん強くなっている… 係員:東祖谷の方は交通止めになっているので二重かずら橋へは行けません。 ああ、やっぱり・・・予想はしていたけど、がっかり。 マコ:じゃあ、かずら橋まではどうでしょう? 係員:西祖谷はまだ通行規制していませんが、雨の状況によってはこれからどうなるか分かりません。。 なんて恐ろしいことを… Pi-子隊長:じゃあ、せめて早めにかずら橋まで行った方が… マコ:でも屋外だろ?この土砂降りの中行くのもなぁ。 Pi-子隊長:そしたら、とりあえず様子みて、ここで時間潰していくか。
あまり選択枝もなかったが、さきほどからちょっと気になっていた「妖怪屋敷」へ入場してみることにした。(石の博物館とセットになっている) 徳島県三好市山城町、ここ、実はアノ妖怪漫画で有名な児啼爺(コナキジジイ)の故郷であることから2010年にオープン。 妖怪屋敷の中には、地元住民が手作りで製作した地域に伝わる伝説の妖怪たちの人形が展示されています。 Pi-子隊長:いろんな妖怪がいるんだね?、中には雨を降らす妖怪なんかもいるのかねぇ? マコ:いるじゃん、ここに! まる子:あ、いるいる。(笑) Pi-子隊長:何だ、マコ隊員、こっちを指差しているが何もないではないか? マコ:昨日鬼ヶ島へ行った時、どうしてついでに退治しておかなかったんだよ!? ねじき:だって「私は桃太郎!」って言い張るんだもん!! …みんなまとめて覚えてろ! 引き続き、石の博物館へ。 徳島県の天然記念物である礫(レキ)質片岩をはじめ、世界の貴石や原石を展示。 また、大歩危渓谷の成り立ちをビデオやジオラマで紹介されています。 切り立った崖が続き、川の流れが速く、「大股で歩いても危ない」という意味があるというのは前述の通り。 さらに四国屈指の多雨地帯で、地滑り地帯でもあり、落石や土砂崩れがしばしば発生する為、今日のような雨量が多い日には度々交通止めになってしまうだということも学習。 危険な崖や淵、細くて暗い山道、多発する自然災害…自然の厳しさから子供たちの身を守る為、自然の尊さを学ぶ為、この地ではたくさんの妖怪の話が生まれたのでしょう。 「妖怪屋敷」と「石の博物館」全然関係なさそうだけど、実は密接な関係があったのでした。 大将:でも、人間「行っちゃダメ」って言われたところには行きたくなるもんだぞ。 おっしゃる通りで。 ちなみにどうしてそんな危険な地域に敢えて暮らさなければいけなかったのか、というと、それは屋島での合戦に敗れた平家一族が逃れ住みいた場所だからだと伝っています。 落ち延びてきた人たちは、平家の裔であることをひた隠しにし、人が住まないような山奥で目立たぬようひっそり暮らしたのでしょう。 この後、道の駅の中にある軽食スペース「アレックス」(店名はだいぶ後から知った)で作戦会議。 Pi-子隊長:二重かずら橋は無理だが、せめてかずら橋まで行くか?それともこのまま高知を目指すか? ピッキー:高知に向かうか?高知までの道に通行規制がかかったら、恐ろしく遠回りすることになるぞ。 まる子:でもせっかくなら、かずら橋は行きたいね。 ねじき:かずら橋はここからどのぐらいかかるの? Pi-子隊長:う〜ん、20分ぐらいかな。 大将:じゃあ、行ってみてもいいんじゃないか? マコ:そうだね、雨もだいぶ弱くなったし。 不安はあったが、結局、交通情報に注意しながらかずら橋まで行ってみることにした。 大将:ここってお土産屋じゃないのか? Pi-子隊長:昼食食べたりするし、いいんじゃない?「かずら橋まで300m」って書いてあるし。
バス34台、普通乗用車300台駐車可能な大型駐車場&物産館です。(駐車料金は普通乗用車500円。 繁忙期にはこの駐車場でも満車になるようです。 館内を通り抜け、かずら橋へ行く途中、味噌田楽や鮎の塩焼きを売っているお店が数軒。 こんな天気の中ご苦労さんです。 お昼の時間はとっくに過ぎていたので臭いにつられる…が、とりあえず先に橋へ行きます。 かずら橋(かずらばし)はその名の通り、サルナシ(しらくちかずら)などの葛類を使って架けられた原始的な吊り橋。 長さ45m・幅2m・高さ14mあり、「国・県指定重要有形民俗文化財」になっています。 どうして木材や石材でなく、かずらで橋をかけたのかというと、理由は前述の通り平家一族が逃れ住み、追手が来たらすぐ橋を切り落とせるように葛を使って架設したとのこと。 渡橋料500円がかかりますが、安全の為、3年に一度は架け替えられるというので仕方ない。 ちなみに現在のかずら橋は落ちないようにワイヤーでしっかり固定されています。(ホッ)
渡る前は「どうしてみんな恐々渡ってるんだろう?」と思いますが、いざ渡ってみると納得。 14mという高さは考えている以上に高く、何よりも足元の隙間が…
いや、大人なら足を踏み外しても足がはまるぐらいだと思うんですが、一休さんのように橋の真ん中を歩くことはできず、手すりにつかまりながらゆっくりと… でも、人が渡るとギシギシいって揺れるよう! さらに今日は雨でぬれてて滑りやすいし!!
私は高いトコロ、そんなにダメではないのですが、高所恐怖症の人にはオススメできない。(^_^;) 橋を渡り切ったところから少し坂道を降りていくと滝があるというのでこちらも行ってみることに。 落差50mの滝の周りには時折、平家の落人らが京の都の華やかな暮らしをしのんで琵琶を奏で、つれづれを慰めあっていたことから"琵琶の滝"名付けられたそうです。 Pi-子隊長:平安のお貴族様が琵琶を奏でてさめざめと昔語りするようなひっそりとした滝だと思ったんだけど、意外と量が多くて華厳の滝みたいだね。(小さいけど) マコ:オレが以前仕事(添乗)で来た時には水が岩肌に張り付く程度の水量だったぞ! ピッキー:今だけ増量中!なんじゃん?なんせ通行止めになるぐらい雨だから。 駐車場&物産館がある「かずら橋夢舞台」まで戻って昼食。 ねじき:あれ?徳島だからラーメンがあると思ったのにソバしかないの? マコ:あ、徳島だけど、祖谷の名物はソバだからラーメンないかも。 大将:ソバでもいいや。 祖谷名物はソバと聞いたのでほぼ全員ソバを選択。 この地は、水はけの良い急斜面が多く、また、昼夜の寒暖差も大きいため、そば栽培に適しているのだそうです。 通常のソバに比べて麺の長さが短いのが特徴。 つなぎを一切使っていないので、ちょっともそもそとした食感。わずか5cmほどの短い麺なので、すすって食べるというよりも、つまんで食べるという感じ。 素朴な味が楽しめます。
しかし、連休だっていうのに、土産物売り場がこんなにガラガラでどうしたんだろうか?(確かに天気悪いけど) いくらお昼を過ぎた時間とはいえ、館内のお食事処も我々の貸切状態だし。 店員:今日はお客さんたちを最後に店じまいですよ。国道32号線からこっちへ来る道は交通規制かかって止められちゃったんですよ。 要するに「これ以上はお客さんが来ない」ということか。私たちが来た時は大丈夫だったけど、ギリギリセーフってとこだったのね。 店員:これ以上降ったら、32号線も危ないし、そうなると従業員の中にも帰れなくなる人が出てタイヘンなことになっちゃいますしね。 32号線を通って高知まで行こうとしているんですけど… ( ̄△ ̄;) まる子:まさか、ここから32号線へ行くこともできないんじゃ… 店員:あ、ここから出る分には大丈夫みたいですよ。 これを聞いて早々にかずら橋を出発することにした。 ちなみに行きたかったもう一つのかずら橋「二重かずら橋」はここから30km、車で1時間程行ったところにあるので、近くありません。 たまに旅行社のパンフレットなんかで縮尺が正しくないものもあるので要注意。 (Pi-子)
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