与那国 1日目


日本最後の夕日

羽田空港職員:羽田から那覇までは決行ですが、那覇から与那国までとなると・・・まだわかりませんね。那覇からは飛行機も小さくなりますし。
Pi-子:やっぱりそうですか。とりあえず那覇行きの飛行機は予定通りなら、とりあえず那覇までは行きます。

羽田空港の天気は晴天・・・なのに・・・

ピッキー:ま、とりあえず行けるところまで行ってみよう。
Pi-子:そうだね、少なくともネタにはなるしね〜。

・・・とでも思わないとやってられない今日この頃。( -_-)

飛行機 那覇

那覇の天気は雨、与那国行きの飛行機の表示板を見ると・・・「Delay/遅れ」と出ている。
ピッキー:やっぱり台風の影響かな?
Pi-子隊長:分かんない。ちょっと聞いてみようか・・・あ、すみません・・・


ちょうど通りかかった職員に聞いてみる。
那覇空港職員:いや、遅れの原因は天気じゃなくて、整備が終わってないだけみたいです。おそらく、今日は大丈夫(決行)でしょう。
今日は飛ぶけど、明日は台風来るから分からん、ということか。

Pi-子隊長:とりあえず与那国まではいけそうだね。
ピッキー:とはいえ、嵐前には変わらないようだな。


那覇からはRACの小さなプロペラ機。
一列4人で10列くらいしかない。
ボルネオへ行った時の飛行機よりちょっと大きいぐらいかなぁ。

あんまり揺れないといいなぁ・・・と思いながら乗るが、そこは台風が近くまで来ているような悪天候!
揺れる、揺れる・・・(((°_。))) (((°ロ°))))

所要時間は約1時間30分。
かなりほどよくシェイクされた。 でも、話を聞くとフェリーはもっとすごいらしい。(別名「げろ船」と呼ばれるくらい揺れるようだ)

こじんまりとした与那国空港を出ると宿泊先の従業員がお迎えにきてくれていた。
従業員A:こんにちは、Pi-子様&ピッキー様ですね。あと2組のお客様がいらっしゃいますので車の中で少々お待ちください。
Pi-子&ピッキー:はい、よろしくお願いします。


車の中で待っていると浅黒く日焼けをした・・・見るからにサーフィンかダイビングだな、という数人の男女のグループ。
その後にサマードレスを着た芸能人?(もどき?)のお姉さんと付き人(もどき?)とパトロン(もどき?)・・・というよく分からないグループが車に乗り込んできた。
前者のグループはわかるが後者のグループは何の目的で来たんだろうか?

ホテル「入船」は空港から車で約5分、島の中心集落、祖納(そない)にあり、スーパーや飲食店も近くにある島の中では便利な場所。
那国島随一の老舗ホテルでオーナーはあの海底遺跡を発見した新嵩喜八郎(あらたけきはちろう)氏。
ジャック・マイヨール氏(映画「グラン・ブルー」のモデルとなった人して有名)とも交流があったんだとか。
ホテルの中には海底遺跡の模型や貴重な写真、資料を展示しています。


部屋は和室 ホテルというよりは民宿
ホテル入船

Pi-子:なんか来るだけで疲れちゃったね〜
部屋に入るとその場にへたり込むPi-子。
ピッキー:Pi-子、休んでいるヒマはない、出かけるぞ!
Pi-子:えっ?どこへ?レンタカーを予約しているのは明日の午後からだよ。
ピッキー:明日には台風が来るかもしれないんだから、最西端の島で日本の最後の夕日を撮るサンセット・チャンスは今日しかないんだぞ!


・・・最近のピッキーの秘境野郎っぷりには、ついていけないPi-子ですが、確かに最西端の島で日本の最後の夕日を見られうチャンスは今日を逃したら見られないかもしれないので、 急ぎ出かける準備を整えたのでありました。

フロントにいた従業員Aさんに話を聞くと、最西端の地がある西崎(いりざき)へはだいぶ離れており、アップダウンもあるとのこと。
しかし、公共バスは1〜2時間に1本という話なので、近くにあるレンタカー屋を紹介してもらった。

さっそく宿で紹介されたお近くのレンタカー屋「与那国ホンダ」へ。
Pi-子:すみません、一番安いクラスの車で、今あるやつお願いします。
レンタカー屋のおっちゃん:あ〜、カーナビないやつならあるけど、それでいい?
ピッキー:ナビなしでもいいですよ。

ナビが必要なほどの島とも思えないし・・・

レンタカー屋のおっちゃん:じゃあ、手続きね〜・・・千葉から来たの?与那国はいつまで?
Pi-子:予定ではあさって石垣へ行くつもりなんですけど。
レンタカー屋のおっちゃん:あさって・・・出られるかなぁ?明日から台風来るからなぁ。下手するともっと足止めくらうよ。出るなら今日中に出ちゃったほうがいいんだけどな。

そんなこと言われても数時間前についたばかりなんですけど・・・

Pi-子:沖縄の台風はすごそうですね。
レンタカー屋のおっちゃん:すごいよ〜、まぁ、それを経験していくのも悪くないかなぁ。東京の台風なんてね、沖縄のと比べればそよ風みたいなもんだから。

そよ風で交通がマヒしてたいへんなことになっちゃうんですけどね。

レンタカー屋のおっちゃん:はい、鍵。
ピッキー:あ、閉店何時ですか?
レンタカー屋のおっちゃん:19:00までには帰ってきてね。いってらっしゃい!


とりあえず、夕日まではまだ時間があるので、島を一周してみることにした。
Pi-子:そんじゃあ、時計まわりに行ってみようか〜。そこ、左折ね。

車だと数分で住宅地を抜け、少し走ったところに現れる凱旋門もどきの建物と・・・お墓?
本州でよく見られるような縦長の墓石ではなく、横に平べったい墓石。
その名も"亀甲墓"というんだそうだ。(読んで字のごとく)

後から聞いた話ではお墓=死後の家、なのでお墓が大きさは生前の権力を象徴するんだそうだ。
その考え方は中国っぽいね。
やっぱり、沖縄って日本と中国の間にある国だったんだな〜、と実感。

異国情緒を感じる、沖縄特有の"亀甲墓"を後にし、車はひたすら草原の一本道をひたはしる。

しばらく走っていくと、展望が開け、前方に巨大な風車が見えてきた。
両側には草原と放牧されている牛と馬、さらにその先には大海原が広がる絶景!

Pi-子:この辺が東崎(あがりさき)っぽいね。
ピッキー:あがり?東崎(ひがしざき)じゃないの?
Pi-子:沖縄では東って書いて「あがり」って読むんだって、太陽が上がる方向だから。ちなみに西は「いり」って読むんだってさ。
ピッキー:へ〜。
Pi-子:あ、あの遺跡っぽいの、何だろう?ちょっと行ってみようか。


近寄ってみるとなにやら説明が書いてあり、「ダティグチディ」という琉球王朝時代に船を監視した番所跡であったことが分かった。
"ダティク"というのは地名、"チディ"は「頂上」という意味なんだそうだ。
東崎近辺で最も高い場所なので、展望がいいけど、なんせ風当たりが強い!

そりゃそうだよな〜、明日には台風が来るって言われてるんだから。
付け加えると、風車もものすごい勢いで回っておりました。

東崎(あがりさき)の風車ダティグチディ(見張り番小屋跡)

お馬の親子(たぶん)牛と馬のコラボ

柵というものが見当たらないこの東牧場。
強風が吹き荒れているというのに馬も牛ものどかに草を食べている。
Pi-子:ここの馬や牛はいいねぇ、柵に閉じ込められているわけでもなく、草を好きなだけ食べて、眠たくなったら横になって。
ピッキー:休日のPi-子と同じじゃん!


( ・_・)┌θ☆( >_<) ドカッ

さて、再び車に乗って出発!

"サンニヌ台"と書かれた案内板が見えたので車を止めるが、展望台までの道は立ち入り禁止になっていた。
ここには"軍艦岩"という名の通り軍艦の甲板と管制塔のような岩があるようなのだが、数年前に崩落事故か何かあったらしく、今は行けないようになっている。

"軍艦岩"は望めなかったが、横にあった"琉球の風"の碑を写真に撮って次に行くことにした。
ここはNHKの大河ドラマ"琉球の風"(1993年放送)のロケ地だったんだね。

立ち入り禁止の"軍艦岩"からほんの少し走ったところに見えてくるのは"立神石展望台"。
海の中から立ち上がった神のようにも見えることから"立神岩"。
確かに自然の造形美にしては不自然で、何か神々しさを感じる。
実際にこの岩は島の人たちの信仰の対象となっており、昔は岩の前を通る時はかぶりものを脱いだという話が伝わっている。

角度によっては人の顔のように見え、違う角度からは男性のアレ(子孫繁栄のためのもの)にも見え、また、一説では軍艦岩も立神岩も海底遺跡に通じる与那国島巨石文明の建造物ではないか、 とも言われているそうだが、真偽のほど不明。
実際に海底遺跡はこのすぐ近くにあるんだそうです。

"琉球の風"の碑立神石

再び、車を走らせて比川(ひがわ)集落へ。
位置は祖納集落の南にあり、島内にある3つある集落のうち、一番小さい集落。
その集落の、海沿いの一角には、フジテレビ系列のドラマ「Dr.コトー診療所」(2003年放送)のロケセットが残っているのです。

Pi-子:「Dr.コトー診療所」のドラマは見てなかったけど、話のタネで行ってみるか〜。
ということで、車を止める。

駐車場の近くには、なぜかホースにつながれた馬が。
東牧場でのびのびとした馬を目にしたばかりだったので、ちょっとかわいそうな気がする。
Pi-子:なんで縄じゃなくてホースにつないでるんだろうね?水を飲めるようにしているとも思えないし。
ピッキー:それは馬だからじゃないのか?
Pi-子:???
ピッキー:馬だけに"ホース"(笑)
Pi-子:・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ピッキー:なんてシャレの分かる飼い主なんだ!
Pi-子:・・・・・・さぁ、「Dr.コトー診療所」見にいくか


ホースにつながれた馬Dr.コトー診療所

かなり年季の入った建物に見えますが、実際にはドラマ撮影の為に建てられた新しい建物(2002〜2003年築)ですが、 わざと古い感じで作ってあるのです。
周辺から建物を見る&撮るのは無料ですが、中を見学するのは有料(入場料300円)なので遠慮し、その横にある比川浜へ。

三日月型の比川浜落書きの相合傘もどき

比川浜は三日月型にひろがる白砂と透き通ったコバルトブルーの美しいビーチ。
与那国島では数少ない遠浅のビーチなのだとか。
確かに東崎から見た海は波が荒く、真っ白い波ばかりだったけど、比川浜はどうゆうわけか穏やかで、とても台風が近くにあるとは思えない。

ずっとぼんやりしていたいような衝動にかられるビーチだったけど、我々には日本最西端の地で最後の夕日を撮るという使命がある為、比川集落を後にした。
ちなみに駐車場前の馬はやはりホースにつながれたままだった。

ほどなくして西崎(いりざき)到着。
繰り返しますが、東は「あがり」で、西は「いり」って読むんですよ!

車を降りて最初に目に入ったのは最西端の碑・・・ではなく、カジキマグロのオブジェ。
なんでも西崎のある久部良集落はカジキの水揚げで有名なんだそうだ。
近海でのカジキの漁獲高日本一で、夏には国際カジキ釣り大会が行われている。

日本最西端の碑を目指して、駐車場から灯台に向かって坂道を登っていく。
周辺は公園として整備されているようです。

与那国島を訪れた人は必ず来るという超観光地の割りに人影はなく、貸切状態。
そりゃそうだ、超強風だもん。長居したいとは思わない。

カジキマグロのオブジェ日本最西端の地

余談ですが、日本の本当の端まで来られるのは、ここ西崎だけ。
南は前述の通り、一般人立ち入り不可だし、最北端と最東端は現在ロシア領となっています。

ここから天気がよければ110km先にある台湾が見えるらしいけど、本日は不可(っていうか無理)
ちなみに与那国島から石垣島までは117kmなので、わずかに石垣島よりもお隣の国、台湾の方が近いんですよ!

Pi-子:夕日まで、まだ時間があるけど、ここにいるの?
ピッキー:風がなければ、ぼ〜っとしているのもいいけど、この風だからな。
Pi-子:とはいえ、どこかへ行ってまた戻ってくるのもめんどうだしね・・・近くに"日本最後の夕日が見える丘"っていうのがあるけど、そっち行ってみる?
ピッキー:景色もあんまり変わらないだろうし、そうしようか。


てなわけで、日本最後の夕日が見える丘まで移動。
車だとあっという間、久部良小学校&中学校の先にあります。
Pi-子:う〜ん、夕日まで、まだちょっとあるねぇ。"クブラバリ"でも見に行ってみる?
ピッキー:何それ?
Pi-子:悲しい歴史のあるところなんだよ。ま、行ってみよう。こっちかな?


久部良割り(クブラバリ)
"日本最後の夕日が見える丘"の右手にある小さな遊歩道(ところどころ草に埋もれている)を歩いていくと大きな割れ目のある岩が見えてきた。
ピッキー:ここが"クブラバリ"?
Pi-子:そうそう、"久部良割り"と書いて"クブラバリ"って読むんだって。で、ここには悲しい歴史が・・・
観光客のおっさん:おう、ここが"クブラバリ"かい?
観光客のおばさん:あら、思ってたより割れ目が広いわなぁ、ここ飛び越えるなんて無理よ。

ここでちょいとやかましい関西弁の観光客数人とガイドさんが乱入。

ガイド:そうでしょう。割れ目の幅はだいたい3m、深さは6mぐらいあります。でもね、実際に琉球王府は宮古・八重山地方の人々へ厳しい人頭税を課して、 その税に苦しんだ島の人々が人口調整のため、妊婦をこの岩の割れ目の上を飛ばしたんですよ。
観光客のおっさん:普通の男でも無理やろ、ましてや妊婦さんなんて・・・落ちたら死んでまうんじゃないやろか?
ガイド:はい、亡くなった人も多いようです。飛び越えるのに成功したとしてもその衝撃で流産してしまった、という話もあります。
観光客のおばさん:ひどい話やわぁ。

Pi-子:・・・ということだ。
ピッキー:うん、ひどい話だな。

クブラバリには琉球政府による"人頭税"の以前にも使用されていたという説もあるようですが・・・その話は後ほど。
けたたましい観光客のおかげでしんみり度ダウンですが、命を落とされた妊婦さんと赤ちゃんの冥福をお祈りしましょう。

そうこうしているうちに日が傾いてきたので、"日本最後の夕日が見える丘"へ戻る。
最西端ではないけれど、逆のここから"最西端の地"である西崎と灯台が見られるのでGood!

日本最後の夕日が見える丘日本最後の夕日

ピッキー:よし、帰るぞ。
Pi-子:あれ、まだ夕日、完全に沈んでないよ。
ピッキー:夕日沈むの待ってたら19:00過ぎちゃうよ。

そうだ、レンタカーが19:00まででした。
さすが日本最後の夕日、日没時間が遅いんだな。(千葉との差約1時間)

天気予報では・・・嵐

(Pi-子)



(お役立ちリンク)
与那国ホンダ  日本最西端のレンタカー屋さん。時間が止まった島。 のんびりヨナグニを体感して下さい。