雨上がり... 虹が出た!

ようやくピッキーの鉄(道)欲が満たされたところで、とりあえず宿に戻る。
Pi-子:こなつちゃん?
こなつ:ZZZZZZ

ピッキー:こなつ姐さんは?
Pi-子:よく寝てるから、起こさなかった。
ピッキー:高千穂峡行くのか?
Pi-子:う〜ん、もう4時かぁ。今から行ってもガイドツアーはないしね…(携帯で検索しながら)あ、ここ行きたいかもくし觸(ふる)神社神社!
ピッキー:くしふる…って読めないぞ、この神社!
Pi-子:漢字はともかく、ここも超パワースポットだよ。
ピッキー:高千穂そんな場所ばっかりだぞ!
それもそうだが…

今回はずっと車でまわっていたので、ちょっとぐらいは歩こうかと(目的地に着いてからは歩いていたが)、宿から散歩がてら徒歩でくし觸神社へ行くことにした。
ここは少し前に話した 天孫降臨の地として知られており、神社の背後にある山「くしふる峰」には降臨後の諸神が天上の高天原を遙拝したとされる、高天原遙拝所があるのだそうです。(高天原遙拝所までは行かなかった)

くし觸神社(ふる)神社
(クシが変換されない・・・)
有名なパワースポット
・・・の割りに観光客少なめで静かな境内

鳥居をくぐってからはひたすら階段を上る。
パワースポットでパワーもらいにきてるんだか、パワー使いに来てるんだか、なんだかよく分からん。

階段を上る、上る・・・(ひぃ〜)ようやく本殿に到着

階段を上って…ようやく本殿に到着。
山そのものが御神体だったため、こちらも長い間 社殿はなく、本殿が作られたのは江戸時代に入ってからということ。
有名なパワースポットですが、参拝客はそれほど多くなく、社殿も質素な木目。彫刻はお見事だったけど。
しかし、山の木々に囲まれて、それと調和するような社殿がいいのかもね。

この近くに もう一つパワースポットと呼ばれるところがある。
くしふる神社参道途中より西の方角に200m弱歩いて行くと、大きなけやきの木とその根本にある小さな井戸。
天真名井(あまのまない)といい、真名井の滝の水源なんだそうですよ。

もともとこの地に水がなく、瓊々杵尊(ににぎのみこと)降臨の時に天村雲命(あめのむらくものみこと)が天から水種を移されたと伝えられており、御神水として信仰されています。

天真名井(あまのまない)こんこんと湧く清らかな水

宿までは再び歩いて戻る。
そりゃそうだ、車がないんだから。

前方からは小学生の帰宅の列。
ああ、今日は平日だったっけ(有給消化中)とか思いながら眺めていると・・・
小学生:こんにちは!
全員元気よく挨拶。

知り合いでもいるのかな、と思って辺りを見が、ここには私とビッキーしかいない。
Pi-子:こ、こんにちは
若干ぎこちなく挨拶を返す。

しかし、この子たちが特別礼儀正しいのかと思ったら、その後もすれ違う小学生、いや中学生ぐらいの子供たちも挨拶をしてくるではないですか!?
観光地だからかな、神様がいる土地たがらかな、ともかくすごいです、高千穂。


高千穂の街中
小学生の描いた絵でしょうか

宿に戻るとようやくこなつちゃんが復活。
Pi-子:大丈夫?
こなつ:うん、まぁ、何とか・・・しかし、すっごい雨だったね!2人で出かけた直後、大雨でさ、部屋の中にいてもびっくりするぐらいだった。
Pi-子:いやいや、外にいたらもっとびっくりだったけどね。
ピッキー:いつものお約束です。

宿で夕飯をいただいた後は高千穂神社へ。
今日は高千穂神社で夜神楽が行われるのだ。

高千穂神社
昔々、「高千穂郷」と呼ばれた地域には、554社もの神社があり、中でも格の高い88の神社を「高千穂八十八社」と言います。
高千穂神社は「高千穂八十八社」の総社として信仰を集めてきました・・・神社の中の神社ということでしょうか。
「続日本後記」「三代実録」にもその記述があり、平安時代以来1200年以上の歴史を持つ古社です。

御祭神は、高千穂皇神(たかちほすめがみ)、瓊々杵尊(ににぎのみこと)、木花開耶姫命(このはなさくやひめ)、彦火火出見尊(ひこほほでみのみこと)、豊玉姫命(とよたまひめのみこと)、鵜鵝草葦不合尊(うがやふきあえずのみこと)、玉依姫命(たまよりひめのみこと)、十社大明神(じゅっしゃだいみょうじん) 三毛入野命(みけぬのみこと)、鵜目姫命(うのめひめのみこと)など。
さすが神社の中の神社、祭られている神様が全員スーパースター級だ。


神社本殿
正面鳥居


本殿は1778年に造替されたもので、五間社流造(日本の神社建築様式)の九州南部にて代表的な大規模社殿です。
平成16年に国の重要文化財に指定。

また、願いを込めて祈ることで、世の中の乱れや人の悩みが鎮められるといわれる鎮石(しずめいし)、境内には手をつないで3度回ると夫婦円満になると言う御神木、など、みどころが多々あります。


「鎮石(しずめいし)」 し〜ず〜ま〜り〜た〜ま〜え〜
二本の杉の幹が一つになった
ご神木「夫婦杉(めおとすぎ)」

こなつ:2人で回ってきていいよ。
Pi-子&ピッキー:いや、いいよ。

かがり火を焚いた坂道神楽殿 神庭(こうにわ/神楽が舞われる所)

周りが暗くなってきたので、神楽殿に移動。
夜8時から開始と聞いたけれど、前列はすでに埋まっていた。(現在 おおよそ7時半)
なので、比較的見えやすい真ん中よりちょっと後方に場所をゲット!
とはいえ、椅子ではなく、畳なのでそこに座っただけだけど。

「高千穂の夜神楽」は国の重要無形民俗文化財に指定されていますが、今日行われるのは観光神楽といって約1時間の言わばダイジェスト版。
ピッキー:重要無形民俗文化財の夜神楽も見てみたいもんだよね。
こなつ:え、でも夜通しで3 3番の神楽が奉納されるんだよ。
Pi-子:えっ、徹夜なの!?

本来は毎年11月〜2月にかけ、今年の収穫への感謝と翌年の五穀豊穣を祈願するために神様へ神楽を奉納する神事であり、単なる観光イベントではありません。
起源となるのは「天の岩戸伝説」でアマテラスが隠れた岩戸の前でアメノウズメが舞ったことから・・・とされていますが、その様式が成立したのは、平安時代の末期だったそうです。

神庭を囲むように飾られている切り絵は「彫り物(えりもの)」と呼ばれ、陰陽(月・日)五行(木・火・土・金・水)や、四季の風景や十二支や鳥居や湯だすきなどを和紙に図案化したものだそうです。

8時になり、神楽が始まった。
まず最初は「手力雄(タヂカラヲ)の舞」
天岩戸に隠れたアマテラスを探しに行くところから始まる。

力強い手力雄の舞
ここではアマテラスが籠った場所を探し出すために
音を聞いたり、考えたりする様子を表現しています

天岩戸を探し当てるが、表に出てこようとしないアマテラス。
困り果てたタヂカラヲ・・・ここで鈿女(ウズメ)にバトンタッチ。


アマテラスを誘い出そうと舞う
「鈿女(ウズメ)の舞い」

「古事記」では「槽伏(うけふ)せて踏み轟こし、神懸かりして胸乳かきいで裳緒(もひも)を陰(ほと=女陰)に押し垂れき。」
つまり、 裏返した槽(桶)の上に乗り、背をそりバストをあらわにし、裳の紐を股に押したれて、女陰をあらわにして、低く腰を落して足を踏みとどろかし、とあり 現代風に言えばストリップだったようですが・・・さすがにそれは再現できないし、そもそも実際のところ演者は男性だし。

さて、ウズメの舞いで大盛り上がり、中にいるアマテラスは外の賑わいが気になりだしました。
そこで、再びタヂカラオの登場!

「戸取の舞」タヂカラオ、たすけがけをして気合をいれます力を入れるので顔の色がさきほどの白から赤にかわります


アマテラスが外の様子が気になり、岩戸をほんのちょっと開けてみようとしたところ


岩戸を引き開けることに成功!
ガラーリ!

絶好のタイミングを逃すことなく、タヂカラオ、岩戸を引き開けて、さらに再び岩戸に籠らないように

ぽいっ

重い大岩の戸を投げ捨ててしまったのでした。
これで再び世の中に光が戻る事となりました。
めでたし、めでたし。

夜通し行われる夜神楽ではちょうど夜明けを迎える頃に戸取の舞が行われるそうだ。
感動的なんだろうな。

最後は「御神体の舞」
イザナギとイザナミによる酒造りの舞。

二人そろって酒造り浮気心を出したイザナキ

二人そろって濁酒をこす作業をしているが、浮気心を出したイザナキ(男神)
神楽見物の若い女性のところへ飛び込んで行き大騒ぎ。


最後はもとさや、二人で酒を飲んで大団円
今度はイザナミが・・・

それを見たイザナミ(女神)ぷんぷん怒り出すも、今度は自分が男客にちょっかい。
この時、女性ならイザナキ(男神)に男性ならイザナミ(女神)に触れてもらえると、無病息災のご利益があるのだそう。
御神体の舞も、もちろん実際の演者はどちらも男性です。

最後は、二人が再び舞台に上がって、酒を飲んで仲好く抱き合い、終幕。

面白かったけど、私は観光用ダイジェスト版でいいかな。

(Pi-子)