崖観音(大福寺)


明鐘岬の夕日

仁右衛門島で決死の探検(?)を終えた我々。
次は館山に移動して、"崖の観音"にへ行くことになっているが・・・

大将:腹減ったなぁ!
命がけの探検の後は腹が減る。
そして、次なる探検の為にはエネルギーを補給しなければいけない。

Pi-子隊長:鴨川市の「おらが丼」リスト。「みんなみの里」でもらっておいたんだ。どこがいい?
説明しよう、「おらが」というのは鴨川の方言で「我が家」という意味で、「おらが丼」とは「我が店の自慢の丼」という意味。
地元でとれた新鮮な野菜や魚介類、お肉などをふんだんに使ったオリジナル丼のこと。
現在(2011年)市内の飲食店53店舗が参加し、「食」で町おこしに取り組んでいるのだ。

まる子:どれもおいしいそうね。
るむ:あ、これいいね。上に「とろろ」がかかっていておいしそう!
Pi-子隊長:・・・「納豆」と「とろろ」は却下する。
まる子:え〜、それって隊長が個人的に嫌いなだけじゃん。
るむ:違うメニューを食べればいいじゃん!「とろろ」食べたいよ〜、ぶ〜、ぶ〜!
Pi-子隊長:私だって看板メニュー食べたいよ、ぶ〜、ぶ〜、ぶ〜!


慎重かつ大胆な討論が行われた結果、仁右衛門島からはちょっと距離があったが、「ふじ野」というお店の"よくばり丼"を食すことにした。

宣伝文句を見ると「ふじ野」は安房小湊駅からほど近い所にあり、ご主人はホテルで料理を16年間、独立開店してから20年間、更に現店舗へ移ってから13年になるベテラン料理人、とある。
なかなか期待ができそうだ。

よくばり丼カサゴのから揚げ
店に入り「よくばり丼」をオーダー。
みそ汁・香の物付きでお値段¥1,360と決して安い値段ではなかったが、地元で捕れたという鯛・なめろう・さざえが盛りだくさん!
お米は勿論、地元の長狭米こしひかりを使用。
この味ならば、この値段でも納得、かつ大変美味であった。
別途オーダーしたカサゴのから揚げも、これまた大変美味であったことも付け加えておく。

各自エネルギーを補給した後は、館山の崖の観音に向けて出発。
食欲が満たされたせいか、ドライバー(オレ)以外は皆、深い眠りに・・・
お約束の孤独なDrivingを楽しんであった。(;_;)

カーナビの指示通りに進み、街道からわき道に入ると、ターゲット(崖の観音)が視界に入ってきた。
実際この目で見るとなかなかの威容だ。 崖の中腹にお堂(観音堂)があり、よくぞあのようなところに作ったものだと感心する。

るむ:なかなかすごいねぇ。
まる子:景色が楽しみ。

まったく、いつの間に起きたのだろうか。
みんな目的地に近づくと戦闘態勢にはいるのはさすがだ。

駐車場に車をとめて見上げると手前に墓地、奥に大きな蘇鉄のような植物が植えてあり、墓地だけどトロピカルな・・・独特な景観だ。
さっそくのぼるでー!

Pi-子隊長:その前にちょっとお化粧直しへ・・・
まる子:私も〜。
るむ:私も〜。

要はト○レ休憩のことです。
ピッキー:オレも行っておこう。
大将:なんだ、みんな短けぇな。(←何が?)

結局、大将以外の全員がトイレへ行き、出てくると・・・あれ、大将がいない!?

るむ:どこへ行ったんだろう?
ピッキー:タバコですかねぇ?
Pi-子隊長:かわいくもないし、お金もそれほどなさそうなのに誘拐されてしまったんだろうか?
まる子:みんな、あそこを見て!

なんと、大将はすでに崖の観音の上にのぼり、上から手を振っていた。
いつの間に上ったのだろうか・・・

ともかく我々も続くこととする。
垂直に切り立っているせいで高さは感じるが、数々の訓練を乗り越えてきた我々の敵ではなかった。

崖っぷちにある観音堂大将はどこ?

大将:みんな、すぐ気がついてくれなかったから手を振り続けてたよ。
おそらく我々がト○レに行っている間に急いで上ったのだろう。

期待していた眺望は・・・というとこれまた曇っている。
幸いにして雨はやんでいたが、まだ若干もやっている感があり、それはそれで幻想的で・・・(今回、こればっか)

崖の観音は大福寺(だいふくじ)境内の船形山中腹に浮かぶ朱塗りの観音堂のことで、崖の中段に刻まれた磨崖仏(自然の岩壁や露岩に造立された仏像)「十一観世音菩薩」が本尊として祭られている。
この磨崖十一観世音菩薩は、717年(養老元年)に行基が東国行脚の折に地元漁民の海上安全と豊漁を祈願して山の岩肌に刻んだもの・・・だそうだ。
しかし、まぁ、菩薩像にしても、この建物にしてもどうやって作ったのだろうか・・・

館山湾が一望できる・・・はず観音堂の天井画

次の目的地へ向かうべく、崖の観音から下りる。
Pi-子隊長:「崖の観音」っていうけどさ、観音様はどこにいたんだろうね?
まる子:いたよ、奥に。見なかったの?
るむ:もう1回上って見てくる?待ってるよ。
Pi-子隊長:いいや、次へ行こう。


途中「富浦のみちの駅」へ立ち寄り、マコちゃんへのお土産「枇杷ようかん」をゲット!
この後は最初へ行った「The Fish」へ行き、お土産を買ったら今回のミッションは終了である。

大将:「The Fish」って、海のそばのでっかいみやげ物屋?
ピッキー:そうだよ。
大将:あ〜、聞いたことあると思ってたけど、前に来たことあるよ。
ピッキー:それはひょっとして元Wifeと?
大将:・・・・・・まぁ、そんなとこで・・・その・・・確かそんときも雨で鋸山に登れなくて「いつかまた来よう」って話した気がする。

珍しく歯切れの悪い大将。

Pi-子隊長:「いつかまた来よう」って言ったんだけど、その日は2度と来なかったわけだ・・・
るむ:隊長ったら直球投げすぎ!
まる子:よかったじゃない、また来ることができて。
(大将は鋸山には登れなかったけど)
ピッキー:めでたし、めでたし。(一緒に来たメンツは違うけど)

大将:めでたい・・・のだろうか?
ピッキー:そうだよ。
Pi-子隊長:まぁ、まぁ。運命なんて分からないものだ。
まる子:今が幸せならばいいじゃない。
大将:そうだよなぁ・・・
(遠い目)

るむ:今となっては美しい思い出ね。
大将:美しい・・・のだろうか?
るむ:美しいわ。ロマンよ!!
まる子:彼女は今頃何やってるのかしらね?
大将:さあ、さっぱりわからん。
るむ:たまには電話とかしてるの?
大将:いいよ、もう!


この手の話題はなぜか大好き女性陣。
さすがの大将もたじたじである。

Pi-子隊長:ところで今回はちょっと時間に余裕もあるし、「The Fish」近くにいい感じのカフェがあるみたいだけど、そこ行ってみる?
一同:賛成!


ということで「The Fish」へ行く前のカフェ「岬」へ。
場所は、国道127号線沿いの鋸山ロープウェイ乗り場のすぐ近く、浜金谷側から行くとトンネルの手前に「岬」と書かれた小さな看板があり、そこを入っていくと砂利の駐車場(今時珍しい) があり、そこから車を降りて「本当にこんなところにカフェなんてあるのか?」と半信半疑になりながら進んでいくと「音楽喫茶」と書かれたお店があった。
外見はおせじにもおしゃれとはいえず、どちらかといえばボ○い。
加えて店の周囲にはビールのケースなどが散乱しており、かなり不安になるが、まずは突入!

店内は10人入れるかどうか・・・というぐらいで非常に狭い。
ドアの近くに2人掛けのテーブルが1つ、奥に4人掛けテーブルが1つに、窓に面したカウンター席が3席ぐらい。
我々は奥のテーブル席、大将だけ窓際のカウンター席に座った。

中に入るとさまざまな雑貨で満たされている。
屋根に"音楽喫茶"と書いてあるだけのことあって、古いレコードやミュージシャンのサインなどが目に付く。
他にも絵やアンティーク小物も目に付くが眺望を楽しめるようにだろうが、小さな望遠鏡も置いてあったのが印象的だ。

海に面した大きな窓。天気がよければ絶好の夕日が見られるだろうが、残念ながら今日は天気が悪い。
窓ガラスがちょいと汚れているのは、演出なのか、掃除が行き届いていないのかは不明。
まぁ、「岬」の名にふさわしいオーシャンフロントであることには間違いない。

中央のテーブルの花瓶には薔薇の花が活けられており、角度的に薔薇の向こう側の席に大将が見える。
薔薇、そしてタバコに火をつける大将・・・少し前の時代の映画のような・・・なんとなくノスタルジーな雰囲気を醸し出している。


雑然としている店内
絵になる男
るむ:もしかして、ここにも来た?
大将:来てないよ。こんな所にカフェがあるの知らなかったし。
まる子:恋人同士ならロマンチックな夕焼けでいいムードになりそうねぇ。
大将:だから雨だったって言ってるだろうに!!

Pi-子隊長:まぁまぁ。誰でも失恋の経験の1つや2つはあるだろう。傷口に塩をぬることを言うはやめようではないか。
ピッキー:そうだぞ!いいかみんな、「The Fish」に行ってもこの話題は厳禁だぞ!!絶対するなよ!!!!
大将:いいよ、もう気を使わなくて。過去のことだ。
ピッキー:そうか、いいんだな・・・ということで許可が出たぞ。解禁だ!!
まる子:悪いわねぇ、大将に気を使わせちゃって。
るむ:じゃあ遠慮なく。
Pi-子隊長:・・・(この人たちを敵に回すのはやめよう)


肝心なコーヒーの味はうまいの一言。
香りが高く香ばしい味わい。
さらに一緒に頼んだバナナアイスがこれまた絶品であったことを付け加えておく。


店内ノートにチームアドベンチャー参上の足跡をつけ、薄暗くなった頃に店を後にする。
外から見て改めて気が付いたがオープンデッキもあった。
天気と気候がよければここでコーヒーを飲むのも最高に気持ちいいだろう。
読書もよし、音楽を聴くもよし 波の音を聞くもよし。
しかし繰り返すが今日は天気が悪い・・・

外観その1外観その2

追記:これを書きながら検索していたところ、「岬」は2011年1月20日火事で焼けてしまったそうです。
再建されることを願わずにはいられません。

続いてようやく大将思い出の「The Fish」に到着。
大将:おお、やっぱりここか。前もここでお土産買って帰ったんだよな。
Pi-子隊長:よかったな、また来られて。
大将:ああ、まったくだ!
(ヤケ)
まる子:思い出と共に買い物を満喫しましょ。
大将:・・・・・・・・・
(涙目)

ピッキー:レンタカーを20:00までに返さないと行けないので、18:00にはここを出発できるようにお願いします。
Pi-子隊長:と、いうわけだ。皆のもの、急いで買い物を済ませよ!
まる子:アイさー!

今回は珍しくあった余裕は「岬」での有意義な会話でなくなってしまったらしい。

しかし、大将以外は前日に目星をつけていたので買い物は順調。

大将:懐かしいな、このバームクーヘン。前も買って帰ったな。
まる子:ここのレストランも海に面して、開放感があっていい感じなのよね。
るむ:ねぇねぇ、やっぱり夕日を見ながらチューでもしたの?
大将:だから、あ・めでした!
まる子&るむ:いやはや、アツーい!!
大将:話、聞いてないだろ!!!


帰り道はとにかく順調!
渋滞知らずで袖ヶ浦へ行き、まる子姐さんとの涙の別れ。
そして約1時間で、幕張の秘密基地に帰還。
電車で行けば倍はかかるだろう。
まあまず時間はともかく、無事であったのが一番であったのはいうまでもないことだ。

今回の旅は前例も漏れずやはり雨となってしまった。
ここまで雨が続けばやはり我々には地下しかないというのだろうか・・・
特に今回の台風の進路の変え方は神の逆鱗に触れたとしかいいようがない。

まだまだ洞窟は全国、いや全世界に沢山ある。
「氷渡洞(すがわたりどう)を征服しただけでいい気になるな!」神様はそう言いたかったのかもしれない。

そして今回の雨はきっと大将の心を傷を流すためでもあったのかもしれない。
我々の怠慢、心の隙を流し、大将の心の傷を流し、この雨を超え、次なるチャレンジに向けて英気を養うこととしよう。

チームアドベンチャー、To be continued

(ピッキー)




(お役立ちリンク)
南房総 千葉県鴨川市 / 鴨川ポータルサイト「かもナビ」  かもがわナビ(略称:かもナビ)は、千葉県鴨川市の情報を発信する地域ポータルサイトであり、宿泊先・お食事・観光・・・様々な情報をお届けしております。
 「おらが丼」を頼むとサービスが受けられる「かもナビクーポン」もあります。
大福寺  崖観音で知られる大福寺は、真言宗智山派に属する寺院です。山号は船形山。院号は普門院。本尊は十一面観音。
 山内のご案内、交通アクセス方法がこちらのサイトから見られます。